一言進言

デジタルアート展に嫉妬する

デジタルアート展に嫉妬する~もっとわくわくするイベントを~

□「ポケモンGO」は国内でも一気に広がった。私も少しやってみたが、確かに現実の場面でモンスターを捕まえるのは面白い。周南市の永源山公園に多く出るとか、下松市のザ・モール周南の中にレアものが見つかったとか、話題はどんどん拡散していく。交通違反が6日間で400件を超えたとか、奇妙な社会現象になった。長く続くとは思えないが、しばらくは盛り上がるだろう。1、2件事故が起こると禁止令が出るかもしれない。
□任天堂の株価が急騰するなど、経済効果が先に出たが、スマートフォンの充電器も飛ぶように売れているらしい。持って歩くから充電が追い付かないそうだ。ジュースも伸びている。人を集めるツールには使えそうだ。商店街ではお金を出してレアなモンスターを購入、集客に利用するところも出てきた。周南地区でも今のうちにやってみる価値があるかもしれない。早い物勝ちだ。
□お隣りの防府市では現在「チーム・ラボ」によるデジタルの“学ぶ!未来の遊園地”が開かれている。自分が書いた魚が壁面を泳いだり、最新のデジタル技術を駆使した会場は連日にぎわっている。デジタルアートの技術は速いスピードで進化していて、大阪城を炎上させたり、プロジェクターを使った映像世界は国内外で大きな反響を呼んでいる。
□周南地区では手づくり感いっぱいのイベントは多々ある。それはまたいいが、最先端のデジタル技術が楽しめる場は新鮮で魅力的だ。コンビナート企業がひしめくここ周南で、たまにはこうした最先端の技術を使ったイベントが開かれてもよかろう。テレビ画面も有機ELを使った布状のものまで出現している。確か出光あたりが関わって開発したはずだ。各社が持つ最先端技術を使ったイベントも開催可能だろう。
□原料を供給しているが、その先の製品は世界中に広がっている。周南地区のそのすごさを具現化できたら、立派な展覧会になろう。周南地区に若者を呼び戻すきっかけづくりにどれだけ貢献できるか。旧徳山市時代に開いていた産業祭は企業のブースも設営され、地場企業の技術やものづくりが市民の目にふれる機会を作っていた。
□ステンレスで作った名刺は驚くような薄さだった。女性は鏡変わりに使えて、なかなか便利だと評判になった。半導体の原料もあれば、デジタル機材に欠かせない原料も作っている。デジタルアート展が周南地区ではなく、防府市で開かれたことに嫉妬する。宇部市のときわ公園でも「チーム・ラボ」によるイベントが開かれている。冬のツリーまつりのイルミネーションも珍しくなくなってきた。ここらあたりで、わくわくするようなイベントができないものか。(中島 進)

ツタヤ図書館で文化度向上?

ツタヤ図書館で文化度向上?~回遊できる街中できるか~(7月20日掲載)
■ 周南市の新徳山駅ビルの指定管理者がTSUTAYAを運営するカルチュア・コンビニエンス・クラブ(CCC)にほぼ決まり、ツタヤ図書館がいよいよ起動する。佐賀県武雄市から始まった図書館プラスカフェの流れは全国に広がった。抜群の集客力は若干陰りも見えるが、いまだに集客力に自信を持っている。スターバックスというカフェが持つ力も衰えていないようだ。
■ オープン当初は相当の人が集まるだろう。しかし、テーマはツタヤにどれだけ人が集まるのかではなく、集まった人がどれだけ回遊するかだ。また、大きな問題は、図書館を作り、管理をCCCに任せることで、市の文化度がどれだけ向上するかだ。
■ 現在の中央図書館で市民の不満を聞いたことはそうない。目と鼻の先に同じような図書館を作ったのでは、税金の無駄使いだ。市民は新図書館に何を求めるのか。市民に何をもたらすのか。図書館は何のためにあるのか。そもそも論から議論を深めることは極めて重要だ。市議会でどれだけ議論され、今後どんな議論が展開されるのか。課題は大きい。
■ CCC側からは旅行や料理に特化した図書館との声も聞いたことがある。本当にそれが年間1億5,000万円をつぎ込む価値のあるものなのか。文化にははかりがない。仕掛け方が多様でないと目に見えた効果は現れない。
■ 光市長を務めた松岡満寿男氏は絵画にも造詣が深く、市民が本格的な陶芸ができるようにと、市民窯を作った。そのおかげか、光市には陶芸家が続々生まれ、彫金の山本晃さんのような人間国宝まで生まれた。ここ周南地区で光市が他市より文化人が多いと感じている人は多い。ツタヤ図書館によって、どんな文化を広めていくべきか。興味は尽きない。
■ 駅ビルにいくら人が集まっても意味がない。地元への経済効果が問題だ。街中に足を延ばしてもらう仕掛けをどうするか。最大の難問だ。ここ数年、街中に40店あまりの出店があった。しかし、街中を回遊させるパワーはまだ足りない。誘導装置もない。商店主たちの意識改革も急務だ。銀南街でディスプレイコンテストを実施するなど、おしゃれな空間創造への取り組みも必要だ。中央街もバザール的な改変もあるかもしれない。デザイン力で街を変える決意が必要だ。駅ビルに人が集まっただけで胸を張っていてはいけない。(中島 進)

どこに向かう民進党

どこに向かう民進党 ~地方政治に入り込め~(7月14日掲載)

■ 「幼児化する日本人」とある評論家が最近の世相を嘆いている。物ごとを白か黒だと決めつける。一方的に他を攻撃する。思いやりのある言葉が極端に少なくなった。政治家も一緒で、言葉に寛容さがなくなった。55年体制を懐かしむわけではないが、議場ではやりあうが、議場外では意外につながっていた。政権を担った自民党も、野党の社会党の意見に耳を傾けた。だから世界でも有数な福祉国家に成長させた、相手をとことんやり込める雰囲気はなかった。
■ 参議院選挙は予想通り与党が圧勝した。当然と言えば当然だ。民主党が民進党に党名変更した時点で勝負はあった。大企業の労組や自治労など組合頼り政党の枠から抜け出すことが終始できなかった。大企業寄りの政策を進める自民党に対抗するには、大企業労組と一定の距離を置かない限り、大多数の庶民とはつながらない。大手企業の恵まれた労働環境にある組合は、今や自民党より資本家寄りだ。
■ 周南市は県内で最も平均個人所得が高い。370万円だそうだ。公務員は700万円に手が届きそうだ。山陰側の各地は270万円とさらに低い。しかし公務員に地域格差はほとんどない。いけないと言うのではない。今や公務員や大企業で働く人たちの中に、資本と労働という対立感覚はほとんどなくなっている。そうした人たちの代弁者は今や自民党だ。企業に賃上げを促す自民党に対抗する手段を失った民進党に勝ち目はない。
■ もう一つ、共産党と組んだ時点で、民進党は政権を担う意気込みを捨てたと感じたのではないか。共産党は、その存在感は認めても、政権を託すのを不安視する人は多い。共産党の票が欲しいだけで共闘を組む姿に失望した人も多かった。結局、投票に行かないことで意思表示をしたのではないか。いったい、民進党はどこに向かって活動しているのかが見えない。
■ とりわけ地方での存在感のなさは抜群だ。地方議員が皆無に近い状態では、政権を担う政党要件はない。地方自治に対する指針を持たない。市営住宅一つ、かくあるべきと主張できるのか。地域医療、介護政策に確固たる方針を持っているのか。市民活動の取り組みはどうするのか。とりわけリーダー養成への指針がない。政党支部に一般の人がどれだけ参加しているのか。自民党の底力はその辺りにある。与党圧勝はある意味怖い。政権交代の危機感がなくなると不安だ。(中島 進)

20年先の日本を語れる国会議員は?

20年先の日本を語れる国会議員は? ~空恐ろしい将来に向かって投票を~(6月15日掲載)

■ 22日に公示される参議院選挙から18歳から投票できるのは知れ渡った。政治に関心がある高校生は少数だろう。何しろ世の中の仕組みを教わっていない。現代社会を習う前にほとんどは授業は終わっている。受験生ならなおさらだ。だいたい高校の先生が今の時代をどう伝えるのか疑問だ。中小企業の実態を知っていて、確実に伝えられる先生はいかほどか。介護現場を語れる先生はどれだけいるのか。我が国の問題点を指摘できる先生がいるのだろうか。
■ 高校の先生だけでなく、10年先、20年先の我が国の未来予想図を描ける大人がどれだけいるのか。国会議員からも、誰一人、このまま政治が続いた延長線上の姿を聞いたことがない。目の前の消費税先延ばしはわかるが、その先はどんな国になるのか、誰も語らない。より良い社会になるのか、どんな社会を目指しているのか。評論家も目先のことしか言わない。統計的には多くの自治体が消滅するという発表があった。そんな未来に向かって、何を基準に投票先を決めればいいのか。
■ 私が徳山に帰って新周南新聞社をスタートさせたころは、まだバブルの最後期で活気が残っていた。あっという間にバブルははじけ、知り合いの経営者の多くがこの地から姿を消した。建設業だけでなく、大企業も接待交際費は上限がないかのように、毎晩街に繰り出していた。しかし、日本沈没の様相で、経済が縮小、加速度的に冷え込んだ。団地から子どもの声が聞こえなくなったのもそのころからだ。20数年経て、子ども会も作れなくなった。
■ 我が国の現実はどう変わったのか。より良い社会を目指して大人たちは工夫してきたのか。30年前と比べて何が進化したのか。車の音がしなくなった。ハイブリッドカーのお陰だ。通信手段が多様化した。携帯電話が始まりだった。もう一つ、長生きになった。医療の進化のお陰だ。政治は常に将来を見据えて、国民が等しく幸せになるよう、知恵を駆使して対策を考えるものと思っていた。しかし、実際はその場限りの人気取り政策ばかりで、結局は一部の勝ち組以外は全員、敗北だ。選挙で選んだ国民のお陰だ。
■ 少子化対策も待機児童ばかり目につく。今、地方から子どもを関東の私立大学まで行かせるには、1人2,000万円はかかる。2人だと4,000万円。3人だと6,000万円。こんな教育費を払える家庭が全国にどれだけあるか。18歳から20歳までの若者にどんな将来像を訴えるのか楽しみだ。消費税の先延ばしは、結局、今の若者たちの将来の負担を増やすだけだ。社会人になったころ、保険料や税金は恐ろしいほど押し寄せてくる。子どもを育てるにはとても無理な状況だ。長いバラまき政治のつけを払うのは誰か。答えがわかっているだけに、空恐ろしい。(中島 進)

10年後、会社、店は消滅の危機

10年後、会社、店は消滅の危機 ~低調な周南市議選、何が問題か~(5月25日掲載)
■ 地方政治が危機的状況だ。下松市議選や市長選は無投票かどうかが焦点になり、周南市議選も前代未聞の53.35%と、2人に1人は棄権する散々な結果だった。次回は50%を割る可能性も出てきた。市民の大半が地方自治に関心がないか、期待していないか、ひどい状況だ。最も身近なはずの地方自治が市民から乖離(かいり)している。
■ まだ実績もない若手市議や、名もなき若手新人が大量得票をした。既存の地方政治に飽き飽きしている市民が大量に存在している証だろう。棄権するのは今の地方政治にノーを突きつけている。今の周南市にあきらめている市民が多い証拠と言えるだろう。
■ 地方自治、政治が地域を変えてくれる実感がないのか。それとも国民全体が快楽的になったのか。豊かになって、政治に不満がなくなったのか。地方から若者が流出し、高齢化が急速に進むが、むしろ地域は静かになり、騒音もなく、穏やかな生活を楽しめると感じているのか。駅ビルが、市庁舎がどうなろうが、公共施設の再配置と言うが、生活に影響する実感がなく、議会も執行部案をそのままスルーする。誰を選んでも変わらない。そう感じる市民が多くなったのか。
■ 18歳から選挙権が与えられ、若者の票は確実に増えるが、投票には行かないだろう。どうしたら地方自治に興味を持ってもらえるのか。難題だ。周南市だけで数百億円の合併特例債が使われたが、目に見えて環境が変わったわけではない。人様のお金の感覚が強い。きれいになった公共施設を迷惑と思う人もいない。
■ 問題は10年後、20年後に訪れる。若者がいなくなった周南市で、お年寄りを世話する人たちが激減する。今の有権者には実感がない。すでに高齢者の施設が働く人の不足で大変だ。これがもっと進むと経営が成り立たない。居酒屋をはじめサービス、小売業も人手不足は深刻だ。今若者を増やす施策を考えないと、到底地域は持たない。
■ 「1年、2年後のことではなく、10年20年後のことを考えて」と若手候補者は語っていた。老練候補は「住みよいまち」がテーマだ。高校の統廃合が発表されるなど、若者が激減することを前提に施策が考えられる。増やす施策は何か。若者を帰らせる施策、大胆な少子化対策、若者定住に大掛かりな施策を。できることはいっぱいある。宣言する。10年後、人出不足で閉める会社、店が続出する。さあどうする。(中島 進)

停電の怖さを忘れた

停電の怖さを忘れた ~サイクル早めた大地震~(5月19日掲載)
■ 地震、雷、火事、おやじと昔から言われてきた。かように地震は恐ろしい。防ぐことはできず、逃げ場に困る。この20年で大きな地震を3回経験した。いずれも想定外だった。戦後ごろからいえば、3つの大地震が起きるまでの災害は風や雨が中心で、足元から崩れるような類はなかった。多少防げるものもあった。川のはんらんもそれなりに対応できただろう。しかし、地震だけは対応のしようがない。耐震化と言っても限界がある。
■ 南海トラフがよく語られる。大地震のサイクルが縮まっている。地殻変化が急速に早まっている気がしてならない。目に見えないだけに不気味だ。静岡県に住む知り合いは、テレビやたんすなどをすべて金具で壁に固定している。周りの家も多くはそうしているそうだ。南海トラフ対策もあるが、日ごろからよく揺れているから、自然にそうしたのだ。瀬戸内地域はその点、のん気だ。
■ 1991年、台風19号が周南地区では経験上最大の天災だった。1週間以上停電し、我が社も電気が使える場所にパソコンを持って移動し、編集して、他社に印刷を頼んで新聞を発行した。強い風による塩害が大きな原因だった。電気が使えないつらさを思い知った。父がマンションの9階に住んでいたので、毎日水を抱えて階段を昇ったが、文明のぜい弱さを思い知った。
■ 思い知ったが、いつからか頭の中からスッポリ抜けてしまった。震災が起こるたびに、もう少し備えをと思うが、それもつかの間、日常に埋まってしまう。懐中電灯、電池、水など常備しておくものは多い。瀬戸内に住む人々は、天災に遭う頻度が極端に少ない。熊本も近くに阿蘇山とか雲仙など火山地帯だが、地震は起こらないだろうと思っていたようだ。
■ こんな穏やかな地域に住む人は何ができるか。ひたすら不測の事態に対応できる最低限の備えをしておくことぐらいか。行政はと言えば、震災に遭遇した地方自治体を見習い、同じ過ちを犯さない、しっかりした対策を持つことだ。周南市は今回、ハザードマップを整備したが、とにかく的確な情報と日常的な広報活動を怠らないことだ。先日のような誤報を決してしないことだ。市民から信頼される役所が何より一番だ。それにしても我が家が危ない。(中島 進)

「子どもの声が騒音」保育園断念

「子どもの声が騒音」保育園断念 ~個人の権利乱用に怒り~(5月9日掲載)

■ 暴走老人が増えたと聞くが、最近のニュースで1番の“びっくりポン”は、保育園建設が地元の反対で断念するケースが増えたことだ。驚くだけでなく怒りがこみ上げる。何という国になりつつあるのか。反対する多くがお年寄りだ。「子どもの声がうるさい」「車が増えて迷惑だ」反対の理由は一致する。都会では苦情に対応して園の周囲に高い防音壁まで設置している。
■ 自治会のボス的なお年寄りが反対すると、地区の住民はみんなだんまりを決め込む。パターンはほぼ同じだ。「子どもは宝」は死語になりつつある。少子化なんか関係ない。若者が目の前をチョロチョロするだけで目障りだ。ましてや、よその子どもの声なんか聞きたくもない。寂しいお年寄りは怒りだけが増幅する。
■ 自分が若いころ、自分の子どもが近所の鉢植えを壊して謝ったこと、近所のおじさんやおばさんから優しい言葉をかけられたこと、今では自分とは関係ない世界だ。自分の子どもは遠くに行って、めったに帰ってこない。自分はその寂しさに耐えているのに、なぜ、近所に子どもを連れてくるんだ。お年寄りの怒りは爆発する。
■ カウンター越しに大声で目の前の若者を叱責しているのは、たいがいがお年寄りだ。齢を重ねると丸くなるなど大ウソだ。コンビニエンスストアで年齢確認を求められたと暴れた年寄りがいた。暴走老人は近い将来、自分が施設に入ったり、介護される側になることなど念頭にない。若い人たちの高い保険料負担で、年金をもらっているなんて、露ほど感謝の気持ちなどない。
■ 周南市内でも、ある老人施設が建設された際、周囲の高齢者が反対の声を上げ、それに市会議員までが加わったそうだ。かくも寛容さを失ったのはなぜか。園児の笑い声が騒音に聞こえる国民になったのはいつのころからか。公民館では、お年寄りの下手な楽器の音はよくて、若者のバンドの音は騒音だと禁止になる。
■ マスコミも、客観的とばかりに保育園建設断念のニュースで反対住民の声を取り上げる。保育園の周りの刑務所の塀のような防音壁。そんな中で子どもを育てろと言うことに個人の権利とは言わせない。将来を担う子どもたちが声も出せない環境を、公正に報じられるのか。私は断固としてそうした住民の声に反論する。個人の権利を主張するのにも限界はある。子どもの声がうるさいと言うお年寄りは、震災で若いボランティアには救いを求めないのだろうか。高度成長時代のつけが今ごろやってきた。(中島 進)

投票率ダウン?

投票率ダウン? ~話題少ない周南市議選~(4月26日掲載)
■ 西田宏三周南市議から2カ月ほど前に丁寧な引退宣言ハガキが届いた。身を引く議員からのお礼のハガキは珍しいだけに感心した。西田市議とは意見も合わないこともあったが、はっきり発言する議員として印象に残る。これからは湯野地区の発展にさらに頑張ってほしい。伴凱友市議も実直な市議だった。道の駅でカステラを売ったと議会で追及されたが、田舎の小さなカステラ屋は細々始めた商いだ。反原発運動など、正義感の強い人だった。
■ 周南市議会議員選挙は5月15日に告示が迫り、立候補予定者もそろってきた。過去と比較しても新鮮味のない選挙になりそうだ。何よりも若手候補者が少ない。青年会議所など地域の青年団体関係も皆無だ。新人、元職で注目株はもちろん島津幸男元市長だ。また市議に復活しそうだが、市長選で大敗しただけに市長復活は容易ではないだろう。市政に影響力を持ちたいなら、若手の論客を送り込むことも一つの方法だ。若手では得重謙二元市議が日新製鋼労組から出る。日新製鋼は新日鉄住金の子会社になる。本社の意向は知らないが、光市では市議選に候補者の擁立をやめている。日新製鋼も親会社の意向を無視できないだろう。とりわけ前回は得重氏の日常活動が多大に影響して落選したと思われる経緯から、どんな展開になるか注目されそうだ。
■ 共産党の議席復活も注目だ。前回評判の良かった形岡瑛氏らが落選し、中村富美子市議一人だけになったが、今回出馬予定の魚永智行元市議もなかなかの論客。せめて2議席はほしい政党だ。公明党は組織がしっかりして票割も確実。投票率が下がりそうな中で優位な戦いを進めている。民進党関係が少ないのが気になる。旧民主党の地方組織が地域に根付いてない証明だ。民主党として県会議員も送り出してきたが、市議の公認候補一人抱えられないのは残念だ。戸倉県議はじめ、旧民主党の活動に期待しよう。
■ 執行部に鋭く食い下がり、行政への不満を抱く市民の代弁者たる市会議員が少なすぎる。議員諸氏の活動は市民生活に直結する。提案もさることながら、行政の業務を監視し、市民目線に変えていくのも大きな役目だ。市民の意見に上から目線で「俺が一番偉いんだ」とばかりに批判をブログに書き込む市議もいるが、もっと市民と真しに議論し、説明できる市議が多く登場してほしいものだ。
■ 新人候補でよくわからないのが田村浩一氏だ。商店街から清水芳将市議が現職で出ている中で、行政マンを辞めての出馬だ。元徳山市議の故田村繁平氏の孫らしいが、街中でも知る人が少ない。どこを票田とするのか、興味がわくところだ。いずれにしても少数激戦になる。これと言ったテーマもなく、選ぶ方も大変だ。投票率は確実に下がるだろう。具体的な公約を掲げる市議が何人いるか。明るい住みよいまちを、などあたりさわりのないスローガンを掲げて立候補するのだけはやめてほしい。(中島 進)

昭和のにおいのするリーダー

昭和のにおいのするリーダー ~井川市長さようなら~ (4月25日掲載)
■ 井川下松市長最後のインタビューをした。4期16年と長い在任だったが、じっくり話を聞いたのは初めてだった。だいたい引退する市長へのインタビューは異例だが、どうしても、政敵をことごとく粉砕しながら強烈なリーダーシップで市政を運営してきた政治家に、じかに話を聞きたかった。
■ 小さな町工場の社長がどうして市長になったか、少しだが垣間見えた。恋路のゴミ焼却場建設時、日立の子会社にと強引に請負契約を迫り、旧徳山市議会がかなり紛糾したこともあった。山田宏下松商工会議所会頭との政策的対立も激しかった。河村五良、河村憐次両県議の確執が、下松市政に大きな影響を与えていただけに、まとまりのない政争の街の印象が強かった。
■ しかし、井川市政が2期目、3期目になると井川色が浸透。最も象徴的だったのが、中部地区土地区画整理だ。地域挙げて抵抗する雰囲気だったが、反対派住民を市長室に招き、じっくり住民の不満を聞いた。最後に井川市長は「よくわかった。これからは私が全責任を取る」この一言で住民たちは一気に怒りを収め、瞬く間に工事は開始された。
■ 水道料金をすえ置くことにも断固たる姿勢を貫いた。市長就任直後、水道局長がプランを持ってきたが、お金がかかり過ぎだと拒否、自前のプランを提示したが従わなかった。そこで「市長の指示が聞けないなら身の振り方を考えろ」と一蹴。水道局長は辞任し、水道局長案は撤回させて、格別に安い水道料金が保たれた。
■ 高村市政時代の旧徳山市と重なる。目標を決め、達成するまで異動させない強さを持っていた。国保担当を決める時、収納率を県内一番に、と目標を提示し、国の予算を取ってこいと出した職員は取れるまで徳山には帰さなかった。昭和の臭いがするリーダーがまた一人去って行く。(中島 進)

誤報放置する周南市で安全は?

誤報放置する周南市で安全は? ~許せない職員のたるみ~ (4月20日掲載)
■ 5年前、ちょうど周南市議会で、皮肉にも島津元市長の防災無線問題での百条委員会が開かれ、私は取材中だった。大震災の一報であわてて車に戻り車載テレビを見て、思わず声を上げたのを思い出す。今でもあの光景は頭のどこかに住みついている。3日間、夜もテレビから目を離せなかった。東日本大震災が人々の記憶から薄れ気味だったところへの今回の地震だ。何度も訪れたことがあるあの阿蘇山のふもとでこんなことが起きるなんて。
■ そんな中、許せないことが起こった。周南市の市民メールサービスの誤報だ。夜、仲間の飲み会中で一斉に緊急通報が鳴り、その場にいた全員が携帯電話を手にした。そんな時、周南市からの市民へのメールは、鹿児島や、愛媛で地震が起こったというものだった。翌日、読者からの苦情で取材したら、まだ通報は訂正されないまま流れていた。問題は周南市の幹部も同じメールを見ていたはずなのに、市民に一切説明も、言い訳もなかったことだ。
■ 市長はじめ幹部たちの危機感のなさは頂点に達したか。訂正方法がわからない担当者の放置は、市長はじめ幹部の責任だ。愛媛で大地震と言えば、すぐに伊方原発を思い起こす。市民の不安を放置するその感覚の鈍さは何か。市民メールを管理できない課長を担当者にするところに、市の人事のいい加減さが現れた。情報を管理する部署がこのあり様で、どうやって市民の安全と安心を守れるのか。
■ 「共に。」のスローガンは即刻おろしてほしい。市職員が共にかばいあう「共に」なのか。去年、国保の担当課長は全くの赤の他人に国保の詳細な滞納状況を送りつけた。個人が特定できる情報だった。1枚だけだと言っていたが、その原因もわからないままだった。何とも市役所がたるんでいる。熊本地方の惨状を見るにつけ、これが周南市で起こったらと思うと空恐ろしい。市役所や駅ビルに大金を使う前にすることがある。(中島 進)