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経済 : 下松市のニュース
【下松市】㈱山下工業所 国際的な半導体需要に応えて 新工場完成・生産力2.5倍増へ
経済下松市山口県下松市東海岸通りの㈱山下工業所(山下竜登社長)の新工場(約220平方メートル)が完成し、28日に完工式を開いて祝った。新工場は国際的な半導体需要の高まりを受け、半導体製造装置の部品の生産能力を現在の2.5倍に引き上げるもので、今後の業績の伸長が期待される。
同社は新幹線車両の複雑な先頭構体をハンマーでたたいて打ち出す「打ち出し板金」の技術を持つ全国的に珍しい会社だが、その技術を生かして日立ハイテクが生産する半導体製造装置の部品の製造も手がけてきた。従業員は44人。
新工場の建設は取り引き先の日立ハイテクからの部品の増産要請に伴うもので、総事業費は約1億5千万円。新工場内にはガラスパウダーを圧縮空気で鉄板に吹きかけて表面処理をする「ブラスト処理機」7基など最新鋭の機器を備えた。
設計は光市小周防の重田建築設計事務所(重田正憲社長)▽施工は下松市北斗町の百合建設工業(中野淳社長と、同市美里町のぱるニシムラ(西村吉治社長)。
完工式には約30人が降松神社の神足篤彦宮司を祭主に神事で営まれた。続いて日立ハイテクのナノテクノロジーソリューション事業統括本部の坂口正道副統括本部長▽国井益雄市長▽県商工労働部の縄田浩之企業立地統括監が祝辞を述べた。創業者の山下清登相談役(87)と妻の悦子さん(84)も元気な姿を見せた。
山下社長(59)は「今年は創業60周年の節目。半導体製造装置の部品の納期順守と安全在庫確保のため、この新工場建設で表面処理と検査・出荷準備の工程を2.5倍に拡張した。進ちょく管理のシステムも導入し、工場全体で当面は2倍、ゆくゆくは3倍ていどの物量まで生産を引き上げる基盤を整えた」とあいさつし、新工場建設の効果を披露した。