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110番 : 周南市のニュース
【周南市】不正発覚後の休職中に犯行 詐欺容疑で元財団職員逮捕 1億4千万円横領の捜査で判明
110番周南市周南警察署は4日午前7時14分、山口県周南市夜市の周南市文化振興財団(理事長・藤井律子市長)の元職員、山本孝泰容疑者(56)を詐欺の疑いで、同容疑者宅で逮捕した。
山本容疑者は昨年発覚した同財団職員2人が財団の資金から1億4,194万9,567円を着服したとみられる事件の当事者の一人。昨年8月12日付で懲戒免職処分になっている。
詐欺事件はこの着服したと見られる資金とは別にコンサートの入場チケットの売上をだましとったもので、犯行は警察による着服事件の捜査の中で明らかになった。当事者の逮捕で事件の真相究明が進むか注目される。
調べでは、同容疑者は今回の不正が発覚したことで休職中だった昨年5月13日から17日までの間に、同財団がチケットの販売を委託していた取引先2カ所から3回にわたり、現金29万3,075円をだましとった疑い。同容疑者は調べに対し、チケット代金を集金したことは認めているが「後日、財団に渡すつもりだった」と容疑の一部を否認している。
藤井理事長は4日、「このような重大な事態を招きましたことを厳粛に受け止め深く反省するとともに、市民の皆様に多大なるご迷惑、ご心配をおかけしていることを深くお詫び申し上げます」とするコメントを同財団のホームページに掲載している。この日、応じた取材では、重ねて謝罪するとともに休職中の犯行について「絶対的に許されることではない」と話した。
全容解明へ捜査継続
1億4千万余円の着服が疑われている事件に、同財団は周南警察署に告訴状を提出。同署が捜査を続けている。同市議会も特別委員会を設置して事件の経緯などを調査したが、全貌は今も明らかになっていない。周南署は事件について「事実が固まったものから立件したい」と話し、捜査を続ける意向を示している。
着服が疑われている1億4千万余円は2021年度時点の財団の決算額と実際の預金、現金額の差額で、今回だましとったとされるチケット代は含まれていない。