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【周南市・下松市・光市】知ってますか 福祉避難所 周南、光市は利用なし
政治その他備蓄品配布は下松市だけ
能登半島地震では被害が広域となり、通常の避難所では生活が難く配慮が必要な障害者や高齢者などを受け入れるための「福祉避難所」が、各市内や近隣市まで被災してもその多くが使用できない状態になっている。ふだん耳にすることも少ない「福祉避難所」。利用したい市民から各市の防災危機管理課などに要請があった時に開設するが、周南3市ではどうなっているのか各市に取材した。その結果、周南市と光市では近年、使われていないことがわかった。災害は近年、増加していると見られ、周南地域でもいつ開設が必要になるかわからない。周南3市での設置数は足りているのか、受け入れ体制の強化が求められそうだ。現在の福祉避難所を市別に見てみる。
[周南市]
周南市の福祉避難所は15カ所。そのうち3カ所は市の公共施設で直営、12カ所は特別養護老人ホームなど協定を結んでいる施設。3カ所はコアプラザかの、ゆめプラザ熊毛、速玉町の徳山社会福祉センターで通常の避難所と併設になる。
2013年に指定したこの3カ所と、その後、協定を結んだ12カ所とも福祉避難所として使用したことはない。
備蓄品などの配置はなく、必要なものは市の保管場所から要請に応じて運ぶことにしている。協定施設では空きスペースで可能な限り受け入れてもらうが、特に研修や訓練はしていない。
[下松市]
下松市の福祉避難所は生野屋南の市地域交流センター、スターピアくだまつに併設の市保健センターと、市が協定を結んでいる11法人の21事業所。11法人とは18年に協定を結び、市の2施設は21年11月に指定した。
最近では大型の台風の時に市保健センターを利用した人がいる。地域交流センターは障害者施設のしょうせい苑利用者の避難を想定している。
市の施設以外の福祉避難所は特別養護老人ホームや障害者施設が多いが、地域福祉課が紙おむつや生理用品、口腔ケア用具、簡易トイレ、簡易ベッド、パーティション、ミルク、子ども用下着、毛布、発電機などを配備している。
[光市]
光市の福祉避難所は総合福祉センター(あいぱーく光)と、市が協定を結んでいる社会福祉法人、医療法人の高齢者施設など18カ所の計19カ所。13年に指定したが使われたことは一度もない。
避難してきた人のための食料などの出費があった場合は市が負担することになっているが、これまで支出はない。備蓄品も配置しておらず、福祉避難所としての訓練もなく、事実上、指定しただけの状態となっている。