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政治 : 周南市のニュース
【周南市】補助金の増額を要望 徳山駅前再開発 物価高騰直撃
政治周南市ホテルなど計画の透明性課題?
山口県周南市の徳山駅前地区市街地再開発組合(小野嘉久理事長)は7日、市と市議会の補助金の増額を求める要望書を提出した。当初、事業費を108億円と見込み、国と県で30億円の補助金を予定していたが、物価高騰で118億円にふくらみ、増加した10億円の一部に対する補助を求めている。
この再開発事業は徳山駅の東側にオフィスビルの駅前棟、18階建ての高層マンション、ホテル、商業施設を建設する計画。すでに完成したオフィスビルは「徳山デッキD1」と名付けられて9月5日にオープン。6階建てで、1階に山口銀行、もみじ銀行とまちのポート、4階以上に徳山商工会議所が入っている。マンションの「プレミスト徳山ザ・レジデンス」は大和ハウス工業が建設中で、すでに売り出しも始まっている。
一方、来年秋以降に施設全体のオープンを予定し、商業施設は出店者募集の説明会5月に開いたが、核となるテナントはまだ明らかになっていない。ホテル棟も運営を引き受ける企業名が公表されていない。
当初から予定されている30億円の補助金は国と市が半額ずつ負担する。国の基準に基づいた公共的な施設の建設費に対する助成で、年度ごとに支払われる。今回の要望はこの30億円の事業費の対象となっている部分も建設費が高騰していることから、自助努力でカバーできない分の負担を求めるもの。
市は30億円と同様に「国のルールの通りに公共的部分に助成する」という姿勢で、今後、増額分の内訳や事業の現状を聞き取ったうえで、助成が可能と判断した場合は来年度当初予算案に必要な事業費を計上すると見られている。
徳山駅前再開発は市が主導した徳山駅前図書館などの建設に続く、民間主導の事業。すでに工事が進行中で、建設後の商業施設の所有、運営のための周南パークタウン開発、パークタウン商業運営も設立されて活動を開始している。ホテルの運営会社、商業施設の店舗が公表されない不安はあるが、引き返すことは難しい。
一方で民間事業への更なる公費投入には市議会などから疑問の声が出る可能性もある。市民が期待し、応援したくなる再開発にするために、これまで以上に透明性を高めることが求められそうだ。
(延安弘行)