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政治 : 周南市のニュース
【周南市】人気猛獣が相次ぎ死亡の徳山動物園 ライオンは今年度中、トラは2年以内に入園
政治周南市「動物がいなくなる!」、そんな心配の声が市民の間から上がっている徳山動物園(長畠和彦園長)。
同園は約100種、500点の動物を展示し、スリランカゾウのミリンダとナマリーや、国内では貴重な動物になっているマレーグマのウメキチ、マーヤを見るために訪れる人も多い。
70億円をかけて2013年度から始まったリニューアル工事は32年度の終了を目指している。
しかし、昨年8月に雌のライオン、今年2月にツキノワグマ、4月に雄のライオン、5月に雄のアムールトラが死亡して、猛獣は雌のトラ1頭のみ。
2022年にはアミメキリンが死亡し、キリンも不在のままになっている。
国内動物園からの譲渡が主流
動物園の動物は国外の動物商から購入するのではなく、国内の動物園間で譲渡または購入している。
同園の木原一郎園長補佐(55)によると、国内の主な動物は日本動物園水族館協会の血統管理者が管理。動物の中には繁殖が難しいものと、繁殖はできるが収容施設が確保できないため繁殖を抑制しているものもあるという。
今年度中にライオン2頭が入園
ライオンは入園に係る輸送費用を今年度に予算化。若い個体2頭が年度内に入園する予定。
今回死亡したアムールトラもこれから繁殖にとりかかれば1、2年後には入園できるという。
背が高いキリンは事故を回避するため、園内であっても成獣になる前の生後15カ月から18カ月の間に移動を限っている。現在の獣舎に入園して移動させるのではなく、リニューアル工事の最終段階で新しい獣舎への入園を予定している。
入園がリニューアル工事の進捗次第の動物も
リニューアル工事では現在1頭のカバを2頭に増やし、ツキノワグマも獣舎を建設してから入園を予定しているという。
工事はそれぞれの動物の獣舎を建て、動物を移し、既存の獣舎を撤去する3段階で進む。しかし、新しい獣舎が増えることで、資材置き場など工事用地の確保が難しくなり、工事は遅れがち。
「死亡した動物は可及的速やかに導入する」方針に変わりはないが、苦心が続きそうだ。
動物園の魅力発信できるか
コロナ禍が過ぎて動物園も訪れやすくなった。同園はSNSで年間1,200件から1,400件の情報を発信。5月のアムールトラの死亡では県外からの献花もあり、お別れ会に訪れる人もいるほど。
現在、同園は地域のイベントへの「移動動物園」の派遣も再開し、市の出前講座の動物園に関する講座も呼びかけている。市民により愛される動物園にするため、市全体での情報発信が必要になっている。