2026年05月02日(土)

コラム「一言進言」

40年先を目指す「日刊新周南」

復刻版で懐かしむ

あれから40年。全国の地方紙が激減している中、勇躍周南4市を範囲とした「日刊新周南」を発行することに挑戦してはや40年が経った。旧徳山市だけが範囲だった「徳山公論」を一気に4市に広げようという無謀な計画だった。若さが成しえた事業展開だった。

発行部数がほぼゼロに近かった下松市、光市、ほとんど購読者がいなかった旧新南陽市が対象地域に入り、まるで砂漠に水をまくような感じで拡張していった。ある営業担当者は「社長1万円ください」と言ってきた。聞くと、あるカメラ屋に頼みに行くとケンモホロロの返事でボロクソに言われて、担当者は我慢ならず1万円を握りしめてそのカメラ屋に取って返してカメラを買ってきた。驚いた店主はその意気込みに惚れて新聞購読を承知してくれた。今はそのカメラ屋さんも閉店してしまった。

経営危機は今でもだが、何とか新聞を発行し続けている。ありがたいことだ。地方紙の使命は国を動かすことではない。この小さな範囲だけでも市民目線の正義が通り、市民が持つ怒りを代弁でき、様々な市民の活動を知り、知ることでさらに地域のために汗を流す人が増え、話題を共有することで連帯感を産み出すことだ。

活字は恐ろしい。良くも悪くも一度掲載されれば消すことができない。事実無根は消して許されない。SNS上だと簡単に消去できるが、一度印刷され発行された活字は削除できない。慎重に慎重を期さないといけない。一番注意するのは批判記事だ。間違った情報を使うと取り返しがつかない。

本紙は「徳山公論」創刊号から数えて1万9649号になる。創刊号の復刻版を本日の紙面の3面~6面に掲載してみた。10234号とある。実に多くの人が紙面に登場してきた。地域の人の歴史でもある。復刻版に登場する名前のうち、何人の人をみんな知っているだろうか、覚えているだろうか。名前を見るとそのほとんどが物故者だ。40年は長い。当時山口県で飛びぬけて地価が高かったのは銀座通の近鉄松下百貨店付近で1平方メートルあたり84万5千円だった。今年、周南地域で一番は御幸通の13万9千円だった。

近年活字離れも激しく、大手紙も人員削減で記者の人数が激減。周南地域の情報も圧倒的に少なくなった。今こそ「日刊新周南」の存在意義が問われる時代になった。しかし、地域や、周囲に興味のない人が増え、新聞購読者の減少傾向は止まらない。新聞の存続をかけた戦いが続いている。今まで以上に地域の人々に必要な情報を精査し、提供できるようにしなければならない。

購読者、スポンサーの人たちには感謝の言葉しかないが、地方紙を支えるためにも周囲の人に少しだけでも購読を勧めて欲しいと願うばかりだ。これからの40年先を目指して、心機一転さらに精進を誓います。

(中島 

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