コラム・エッセイ
№24 我が家は新幹線駅まで歩いていける100坪住宅…山口県移住促進策
独善・独言先月、知事が『人口減少対策はこれからの最重要課題だ』と表明していた。今回は周南地域を離れ山口県全般の人口増案を述べたい。
A表は「NPO法人ふるさと回帰支援センター」発表の東京都民の移住希望相談件数ランキングである(22年調査)。本県は小県に関わらず、また、東京から遠距離にも関わらず、堂々15位にランクされている。なぜか…人気の要因をランク21位の岡山県と比べてみた。
岡山県は“晴れの国”。気候や風土はもちろん、東京からの距離も雇用機会も…どれをとっても岡山の方が希望上位にあっても良いような気がするのだが。
山口県が岡山県に絶対的に勝っていることに気づいた。それはA表の新幹線の駅の数と山陽道の高速のインターチェンジの数である。
東京から、あるいは近県から移住を検討する人がどのような視点でもって希望地を探るか…蒜山高原や周防大島町などで自然ともに生きたいとか、津和野や萩の町で歴史と接して暮らしたいとかいう超越した選択をしない場合、まず新幹線や高速道路を目当てに、都会暮らしと同程度の便利さが享受できる適当な街を選択した後、海山の自然環境や周辺地での雇用機会を検討するのではあるまいか。
岡山と本県の希望件数の差が新幹線や高速道路網の充実に要因アリとするがどうであろうか。
それでは、県は新幹線駅と高速道いう宝をうまく活かしているかというと…
㊀徳山駅は唯一旧来からの繁華街に位置していた
㊁新山口駅周辺は県内他市町行き来に便利であることで、マンションと商業施設で埋まってきた
㊂新下関周辺は北九州勤務者のニーズも高く住宅化が行き渡り、今では新築用地を山間地の開発に求めていると聞く
㊃新岩国駅周辺の山と川に挟まれた狭隘(きょうあい)の地の住宅化は、広島通勤者向けに限界状況にまでに進展している
徳山駅を除く3駅周辺は、新幹線駅の存在メリットを生かして、ほぼ田園地域であった50年前から様変わりをしてきたと言えよう。
それでは、最後に地元の要望で追加して設置された厚狭駅はどうか。駅南の田園は、全国に106カ所ある新幹線駅のなかでも最も閑散とし活気のない風景ではなかろうか。また、駅北の以前は近在近郷を代表する商店街は寂れに寂れている。
開発余地はある。㊀駅南地区は農業振興地域で宅地化が制限されている。㊁旧商業地には従前の店舗跡も含めて空き地があふれている。㊂駅構内は整理すれば宅地化が可能な土地は充分に確保できる(あさかぜが停まっていた長いホームは今は必要がない)。
これらを開発して、東京圏だけでなく、小倉や博多の住宅需要を掘り起こすのはどうだろうか。キャッチフレーズは『新幹線の駅に歩いていける100坪住宅』。
小倉の相当な郊外の建売物件の土地面積は平均40坪程度。同じ価格で厚狭駅周辺に家を建てれば計算上100坪の宅地が購入できる。小倉の不動産業者に訊けば、充分ニーズありとのことであった。
交通費手当がでるとか、週何日かはテレワーク可という待遇であるとかの勤務先なら、さらに誘致条件が整うというもの。
県も地元も大金をはたいて誘致した新幹線の駅、これを生かさない手はない。移住促進のための起爆剤になることは疑いない。ただ、相当なエネルギーが必要。県が主導しJRや地元の地権者の応援を受けてはじめて成り立つ事業になる。知事や山陽小野田市長に本案をお伝えしたいと思っている。
…どうでしょうか。
講演請負業 阿武一治 kazuharu.anno@gmail.com
![]()
