コラム・エッセイ
No.58 日立製作所で「反転艤装」に学んだ。 逆転の発想で常識を打ち破り慣例を一変させることは簡単ではない
独善・独言周南3市が地域消防の通信指令業務共同化を協議するとしたニュースを喝采を叫びたい思いで聞いた。
10月22日に日立製作所のOB会に講演に招かれて、20年前工場見学会で感じた2つの“学び”のことを思いだし話題にした。
客車の天井の器具を装填するときには、回転して天井を底にして作業しているのを見た。「反転艤装」というらしい。私の質問に対して『反転したのは昭和60年頃、それまでの50年間は足場に上がって天井に向かって作業していた』との答えが返ってきた。私は驚愕した…選りすぐりの技能者の集まりである大日立においてさえ“逆転”という発想にたどりつくには50年の年数がかかるのだと教えられたということである。
しかし、同時に別の思考もした。大日立の技能者のなかでは反転すれば作業が容易になるだろうという発想は当初からあったはず。それでも実現するまでに50年の歳月がかかったのはなぜか…足場となる天井の強度対策、反転のための機械装置、そのためのコスト…大日立の叡智でも慣れ親しんだもの=常識を打ち破ることは簡単でないのだと思い知らされた。
世間にはこの「反転艤装」のように常識を打ち破り慣例を一変させた成功物語もあるが、旧態依然、慣習から逃れられない事柄も多い。それらの中からいくつか…。
まずは私がこだわる歴史、野球、歌謡曲というジャンルのなかで。
㊀歴史⇒戦後のGHQ革命…それまでの“黒を白にする”変革はまさに常識、伝統を完璧に葬り去ったといえる。このいやおうなしの民主化革命は、多くの戦死者の残される家族のためにという思いが敵国のおかげという想定外であったとしも具現化してありがたい。
㊁野球⇒9人のうち打つ気のない打者が1人いることを容認している野球をいつまで続けているのか。セ・リーグはさらにダメになる。
㊂歌謡曲⇒萩市出身の作詞家吉岡治は「真っ赤な太陽(美空ひばり歌)」以来ヒットが出せず苦悩していた。都はるみに書いた「大阪しぐれ」…歌詞に関連がない、それぞれのフレーズが華やかにとがっているだけ。吉岡はこれだと気づく。まとまったストーリー性のある歌詞など必要ない、それは聞き手が補充してくれればよい、そう開き直った。その後の「曇りガラスを手でふいてあなた明日がみえますか」「口を開けば別れると刺さったまんまの割れガラス」という常識超えの歌詞に結実する。
政治には慣例から抜けだせず改革を見送っている事業、施策が目に余りイラつく。観点は効率化、合理化によるすべての市町が第一課題としている“財務の健全化”にある。
㊃地方の人口減は止まらない。増加策に資金をつぎ込むより人口減を前提にした社会を構築することに施策を転換すべきと思うが。
㊄団塊世代が農業を一斉にやめてしまう日は近い。地方の荒れ地は増える。行政が農業法人を一括管理する形に早期に取り組むべき。雇用拡大や税収増にも効果あり。
㊅市町全体で一学年が100人未満であれば市町をまたいででも小中学校を一つにすべき。学生の輸送コストなど教員の人件費と比較すれば知れている。
㊆不急な救急車の使用に関していくらかの自己負担を求める市町が出てきた。とうとう始めたかという思いになっている。
㊇各市町のコンピューターシステムの統合が進まない。非効率の象徴。マイナンバー移行を契機に大ナタを振るうべきでは。
㊈先の消防や水道など広域で対応した方が効率的で有効なものは多い。学校行政も含め市民生活のファンダメンタル的事業に各市町間で大幅な格差があることはおかしくないか。そのなかで国民健康保険料の県内統一が実現する。一歩前進した。
以上の諸施策は別稿で詳述する。
冒頭の消防事業…広域消防の入口である通信指令の共同化さえ長い間できなかった。何が遅延の要因か…その理由をさぐることで改革の筋道がみえてこないか。
…どうでしょうか。
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