コラム・エッセイ
№63 地方自治考7・学校行政に疑問アリ… コスト意識をもった運営を指向すべきではないか
独善・独言小学校の運営に関してコストとという側面からアプローチしてみた。批判は覚悟の上である。
㊀20数年前の話し…宮崎県奥地の開拓村に入植家族があり小学校の分校が再開され分校長、担当教員、養護教員が配置されたとの報道があった。僻地振興にはありがたいが施設の整備や維持、教員の人件費を考えれば、毎日タクシーで既存校へ送迎した方が経費減であろうと余計な心配をした。
㊁同じような話し…3年前に祝島に移住者があって休校していた分校の入学式があった。島民の4分の1にあたる60数人がこの入学式=開校式に参加したとのこと。喜ばしいことだが、ここでも教員配置の2名を考えると…複雑。
㊂我が古里、美祢市西厚保地区には地域の空き家を整備して、市外から子育て世代の世帯が移住しやすい環境を整え地域の活性化したいとして設立された「厚保っ子サポーターズ」というNPO法人がある。転入者には自腹をきった補助金も用意してまで地域と小学校の絆を維持しようとしている。頭が下がる思いになる。しかし、現在近隣2校を吸収して設立した厚保小学校の生徒数は35名、多くの児童は専用バスで送迎されている。美祢市にはA表のとおり11の小学校がある。中心の1カ所にまとめても通学バスでほぼ30分以内で通えるであろう。効率化=財政改善と地域の衰退阻止の思いのどちをとるか…さらに複雑な思いにとらわれる。
㊃児童10人の下松市立米川小学校は4年前休校になり麓の花岡小学校に実質的に統合された。転属になった教員7人の年間人件費は社会保険料、退職金負担等を考慮すれば4千万円以上にはなろう。一方、その後の通学バスの費用負担は1千万円強である。コストで割り切れない住民感情があることはわかるし、それを説得した市の努力も聞いているが、もう少し早期に対応できなかったのかと思う。
㊄学校の設置、運営方針は地域の歴史や風土も勘案し各市町が主導しているが、教職員給与は県が支払うという二重構造になっている。
私は県や市町の財政状況を考えればバスで30分以内で送迎できる過疎地の小学校は基本的に統合すべきと考える。統合すれば教員の人件費負担は廃校になった学校人数分減るといっていい。しかし、B表のとおり児童数の減少に学校数や教員数が追いついていない。
市町が学校統合に積極的でない理由は住民の愛着意識を考慮することも大きいが、教員の人件費が県負担になっていることで学校運営にコスト意識が希薄になっていることにありはしないか。
㊅児童生徒の医療費の無償化はほぼ各市町が対応してきた。次は給食費の無償化が課題になってきている。財政にゆとりがある市町が先行して全国で30%程度が小中学校全員の無償化を実施していると聞く。もちろん子育て世代が助かる“やった方がよい”施策であろう。しかし、たとえば下松市が対応するとして現在の給食費約2億5千万円はどう工面するのか。そもそもこのような根本的な子育て施策に各市町で差があってもよいものなのか…疑問がわく。
学校行政は住民意識を無視してコスト意識で割りきれるものではあるまい。しかし、県に統合してバランスをとることも必要ではないかという思いが捨てきれない。
…どうでしょうか。
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