2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

No.70 フジテレビの記者会見をみて…記者の「選民意識」と「正義の暴走」を嘆かないか

独善・独言

 先般のフジテレビの記者会見をどうみられたか。私はその内容はともかく記者の“選民意識”の姿に反吐が出る思いになった。

 10時間超という異例の長さ、厳しい口調の糾弾、司会者の制止を無視した怒号…これらリンチまがいの記者連中の言動には、何か特別な役割を果たしているという自負や責任感、あるいは高揚感をみせつけられた。ネットはそれを“正義の暴走”と表現した。

 心ある記者からは「静粛にして質問者の声を聞こう」と投げかけがあったが、437人もいた記者のなかに一人くらいはたとえ周囲から袋叩きにあったとしても「3時間経過した。大筋の質問内容は出尽くしたように思う。相手側の年齢から考えてこの程度でやめよう」との発言があってもよかった。

 「正義の暴走」とその裏にある「選民意識」について書きたい。

 ㊀本紙寄稿No.55でジャーナリスト青木理が「自民党支持者は劣等民族」と言い放なって失脚したことに関して、「それまで権威者のすべてを否定してきた物言いにおぞましさを感じてきた。慶応大学→共同通信記者という選民意識丸出しの発言で批判をあびて私は正直『それみたことか』と喝采している」と書いた。これも先と同様、選民意識のある記者には劣等人の常識は通じないのであろう。

 ㊁しかし、世界をみるとその選民意識とそれにともなう正義の暴走は半端ではない。ナチスやシオニズムが典型であろう。歴史とは自らが選民と優越意識をもつ者が賤民と見下した者を駆逐してきた事案なのだろう。それを思うとトランプの自国至上主義など暴走の範疇に入らないかもしれない。

 ㊂正義の暴走の究極は戦争であろう。鈴木宗男はロシアのウクライナ進攻に理があると主張する。日本を壊滅に落とし込んだあの戦争でさえ「開戦にもやむをえない理由あり」と肯定する識者が存在する。そこには振りかざした正義があるだけで、犠牲にしてきた民衆や相手国民への配慮はみえてこない。
 
 ㊃選民意識といえば男目線の女性蔑視。古くは人柱や遊女売買、政略結婚などの道具扱い。女性が参政権を得たのは戦後GHQ革命後のこと。一夫多妻、妾、二号、赤線、娼婦…永らく女性を人間扱いしないできた。今日も男女別姓選択や女性天皇で結論が出ない…男優位の体制が残ったままの日本…悲しい思いになる。
 
 ㊄次の観点は身分制度…維新後も残った戦前の華族や士族という選民制度。これもGHQ革命で消滅した。また、相対的に優越意識を醸成していた部落差別や朝鮮人蔑視が我々の子どもの時代には解消されるであろうということ…ここは我が国の民主度を誇りたい。

 ㊅私が憤りを感じるのは戦前の神国や武士道の精神をもて遊んだ軍人の選民意識に関して。東条英機の「生きて虜囚の辱しめを受けず」の戦陣訓。これに従い何万の人が無為な死を選択したか。兵隊を“思考能力のない虫ケラ”と思っていたからこそ生まれた正義。今もウクライナで北朝鮮兵士は自爆していると聞くが、戦前の日本は今の誰もが哀れとみている金正日体制以上に誤った正義がまかり通っていたといえる。ツラく悲しい。

 ㊆さらに特攻隊…主導者は隊員に死を迫ることを単に“我が手駒の運用”としか思っていなかったのではないか。先の東条も特攻発案者大西中将も、また勝利のためにという正義しか眼中になかった戦争遂行者達も、陸軍士官学校や海軍兵学校出身のごく限られたエリート軍人であった。彼らの選民意識とそれによって生じた正義感覚でもって平気で徴兵兵隊に“切り捨て御免”を実行できたのではなかったか。反吐がでる思い。
 
 私はフジ会見時の記者の暴走が、これらエリート軍人の暴挙と選民意識という側面でダブって見える。飛躍がすぎるかもしれないが。

…どうでしょうか。

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