2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

No.71 私話し8・名言…『我以外皆我師也』⇒本文で“学び”ということばを14回使った

独善・独言

 学ぶというテーマで私の好きな名言をいくつか並べてみた。出典の詳述は省く。

 ㊀『勝に不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし』は旧松浦藩主で思想家の松浦静山の名言と聞く。最近周南公立大学の公開講座で聞いた元広島カープ野村謙二郎監督の『すべては失敗から学ぶ』という発言は『説得力は実績にあり』を裏打ちするまことに謙虚な語り口であった。いずれもその意趣は『敗因に学ぶ』ということであろう。

 しかし、永年営業マンであって、今も国民宿舎大城のセールスをしている私は少し違った考えをもつ。営業交渉のほとんどは失敗に終わる負けは覚悟の上の行為である。だが、数少ないが成功事例もある。私はなぜ失敗したのかとの要因分析より、なぜうまくいったのかを追及して次に生かすことにしてきた。『学びは勝にある』である。

 どちらが正解でもあるまいが…。

 ㊁学ぶ一番は歴史である。『歴史は現在と過去との会話である』は私の信条でもある。『歴史は勝者の歴史である』といわれ学びの対象は偉業をなした英雄伝が主体になる。運を逃さなかった家康の深慮、大久保利通や伊藤博文の国を創る英知はどこから生まれたか、何より信長の超常識の発想力、決断力…。

 一方、敗因をさぐることでの学びの機会も貴重。組織人たりえなかった義経、世間に理解されなかった老中田沼意次の経済感覚、維新一番の功労者西郷隆盛の10年後の自壊…これらは『賢者は歴史に学ぶ』の真髄ではなかろうか。

 ㊂学ぶの次はサクセスストーリーである。どの家の本棚にも松下幸之助本や稲盛和夫の人生論が幾冊かは並んでいよう。日経新聞の「私の履歴書」や読売新聞の「時代の証言者」は読んで楽しい。我々凡人は彼らからヒントをもらう。

 ㊃四つ目は学ぶ方の姿勢である。私の一番大事にしている言葉は吉川英治の『我以外皆我師也』である。学ぶべき対象は偉業を成しとげた成功者ばかりではない。親の生きざまであったり上司の背中であったり仲間の一言であろう。しかし、そこに学ぼうという意識がない限り本物にならない。『人の能力の差はせいぜい5倍までだが意識の差で100倍まで広がる』とはまさに至言であると受け止めている。

 ㊄一方、成功者の側の、語る側のスタンスに関してもひと言。先の日経新聞「私の履歴書」で成功の事由を「部下に恵まれた」とか「時流が味方した」などの表現ばかりで通す人がいる。我々は彼の偉業の根源を学びたいのに…このような謙虚な姿勢はこのような場面ではどうであろうか。成功者は自らを語る責務がありはしないか。

 ㊅関連して…私は本コラムNo.55でどこの社会にも「あれは俺がやった」と威張り話しを連発するヤカラがいてみっともない…と書いた。本文を読まれた世間の誰もが功成り名を遂げられたと評価する大組織のトップであった人物から「あなたの言うとおり俺がやったという発言は情けない。飲むと口が軽くなる。自戒しなくては」とのメールが届いた。私はその功名者に“あの時は”という類の話を聞くことが楽しかった。様々な場面で様々な選択肢があるなかでなぜその一案をチョイスしたか、それが成功であろうが失敗であろうが学ばせていただきたいと思っていた。私の拙文が要因でこの方が口をつぐまれたらエライことになる。

 ㊆原爆のボタンを押したトルーマン大統領のことば『誰の手柄になるかを気にしなければ人間が人生で達成できないことは何もはない』⇒他人の評価を気にせず最終的な決定や責任は自らが負うという強い意気を示したと解釈する。

 私はイギリスのエライ文学者の名言『学びとは人生の中で理解していたと思うことを新しい形で理解し直すこと』を頼りに講演で語ったり、この偏ったコラムを書き続けているが。

…どうでしょうか。

講演請負業 阿武一治 kazuharu.anno@gmail.com

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