2026年05月15日(金)

コラム・エッセイ

No.111 “本当に”ミラノオリンピックは…。

独善・独言

 私はミラノに行ったこともなければ行きたくもない。そんな私のオリンピック総括…気づいたことを5つ。気分の悪い方は途中で読むのをやめてください。

 ㊀いつからこんな“曲芸大会”になってしまったのか。
 ①大昔、札幌の大倉山ジャンプ場を麓から見上げたことがある。あんな所から飛んで降りるなんて常人のやることではないと震えた。
 ②スキーのモーグルやクロスはジャンプどころではない。ましてや3種のスノーボードは私からみればアクロバットとしか思えない。
 ③これらのケガと裏表の高さや技はどこまで進化するのであろうかと空恐ろしくならないか。
 ④転倒する選手があった。あれだけ練習を積み重ね、最もミスが起きにくいパフォーマンスを周到に用意して本番に臨んでも起こる転倒である。新しい演技を開発する途中では、いったい何度の失敗をしたのか。夏の体操も同様であろう。練習と実戦に環境差のない野球とかサッカーとはその調整難度に大差があろう。

 ㊁選手たちはどようにしてこの晴れ舞台たどりついたか。
 ⑤練習場はどうしているのであろうか。犬やキツネが入ってこないような安全対策はできているのか。
 ⑥冬季以外はどうしているのか。雪と同質の環境整備が資金面も含めてそんなに簡単に取入れられるとは思えない。
 ⑦技能がどんどん進化していくと並行してケガのリスクが増す。オリンピックに出場した選手たちの裏側でケガで競技継続を断念した人数はどの程度あるのだろうか。

 ㊂いきおい競技人口は限られる。
 ⑧A表は注目競技の競技人口である。いずれもこの程度かと目を疑ってしまう。
 ⑨そうなるとどうなるか…実況放送の中で兄弟や親族が同時に出場していることを繰り返し紹介していたし、親のコーチと健闘をたたえ合う場面もあふれていた。
 ⑩このような親とか兄弟が目立つ閉鎖競技に相撲がある。大相撲春場所の幕内力士のうち親や兄弟が力士である人数は8人、外国出身者を除けば構成比25%になる。すそ野のない完全な閉鎖競技の今後にどれだけの進展が期待できるであろうか。

 ㊃もうひとつの気づき。
 ⑪人口の少ないなかで日本に匹敵するメダル数の韓国…日本への対抗心が薄まることにウレシクなる。一方、人口も雪も寒さも冬季競技の環境に問題がない中国が日本の後塵を排していることはナゼなのか。
 ⑫ただ、この3国以外の有色人種の比率は僅か、また、黒人の姿はほぼみなかったように思う。いずれにしても他のアジアやアフリカ、南米の人々はこの大会をどうみたのだろうか。

 ㊄さらにつまらない気づきである。
 ⑬「本当にすばらしい」の“本当”が放送の中であふれていた。この本当は正しいという意味合いではなく表現する能力に欠けているからこそでてくる強調言葉。
 ⑭選手が試合後沸きあがる熱情を表わすときは言葉を選んでいる余裕はないので置くとして、解説者が目の前のプレーの感動を伝えるときに本当を連発するにはウンザリする。
 ⑮ある先達に約束を反故するメールを送ったら「極めて残念です」との返信を受けた。「本当に残念」と言われるより余程申し訳ない気持ちになった。本当ばかりが感嘆詞ではない。私は本コラムのなかで一度も使ったことはない。

 あの女性をぶん投げるフィギュアスケート…いやこれ以上ニクジをならべることはやめておこう。

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