コラム・エッセイ

　こんにちは。ずいぶん冬らしくなってきましたね。寒くなる!　と聞いて、やっとこたつ布団の洗濯に行った、ずぼらな私です。今はぬくぬくとこたつに入って（棲み付いて?）この文章を打っています。

　ところで。11月といえば、ワイン好きには外せないイベントが「ボジョレーヌーボー解禁日」です。私が初めてこの言葉を耳にした30年以上前では、表記が「ボジョレー」だったのに、近年では「ボージョレ」のほうが多くなっている気がします。ここでは私が馴染んだ表記にさせてくださいね。

　で、このボジョレーヌーボーの解禁日、11月の第三木曜日である16日に、徳山の平和通りにあるレストラン&バーで行われる「ボジョレーヌーボーパーティー」に参加してきました。おいしい上に、量も満足なお料理と合わせて、乾杯のスパークリングワイン、オレンジワイン（という名の葡萄が原料のワインですが）、ヌーボーなどいろいろ頂いてきました。席を同じくした、コロナ禍前からのワイン仲間と他愛もない世間話をしながら楽しく飲む。新酒を寿ぐ。未来に向かって縁をつなぐ。これぞ、酒宴の楽しみです。ストレスも綺麗に洗い流されます（ついでに脂肪も流れていってくれたらどれだけいいか）。

　ところで、このボジョレーヌーボー（以下、ヌーボー）ですが味が今一つとか、若飲みだから苦手、という言葉を聞くことがあります。ですが、私は意外と好きだったりします。嗜好品なので好き嫌いは個人の味覚次第ですが（私はどれだけ勧められても納豆は美味しいと思えないので（涙））。但し、ヌーボーならなんでも好きというわけではありません。同じヌーボーでも作り手さんが違えば味が大きく異なるからです。これは、お料理で考えたら分かりやすいかと思います。

　同じ材料を使っても、料理人の腕一つで味や深みなど出来上がりに雲泥の差が生じますよね。これと同じで、しっかりした作り手さんのヌーボーが美味しくて、好きなんです。ワインは作り手が重要とは私がもう25年くらいお世話になっている酒販店さんから教えて頂いたことです。また、ヌーボーは早飲みのイメージが強いのですが、作り手を選べば意外と長持ちもします。過去に毎年購入している作り手さんのもので、気がついたら10年、7年、5年と我が家で放置されていた3種類の年度のヌーボーを、物は試しと開けて飲んだことがあります。これがおいしかったんですよ。正直、自分でもどうかなあと飲む前は不安だったのですが（普通ヌーボーを10年も置くモノ好きはいないですよ）、おいしく飲めて本当に驚きました。

　また、作られたその年のものだったら一本をすぐに飲みきれなくても、しっかり栓さえすれば2、3日くらいなら大丈夫です。私の場合は気がついたらほぼ一本飲んでいた、なんてことが多いので残っても翌日までですが、美味しく飲めています。だから、ヌーボーは作り手さんが大切です。

　今回、興味を持たれた方はぜひ来年挑戦してみてください!　人生、好きなものが多ければ多いほど楽しいですよ。もしお口に合わなくても「ヌーボーは苦手なのね、フムフム」と自分についての理解が深まったと納得して、残りのワインはミートソースに入れる水の代わりに使ったり（これは、味が劇的に良くなります!）、牛肉の煮込みやリンゴのワインシロップ煮などにしたりしてみてください。活用法を変えれば、最後まで美味しく頂けると思いますよ。