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[秋の叙勲]地方自治、保健、更生保護、消防 長年の活躍たたえ3市から8人
文化その他秋の叙勲の受章者が3日に発表された。全国で4,036人、県内では57人。周南地域は周南市3人▽下松市2人▽光市3人の計8人が受章する。
旭日小綬章は元県土地家屋調査士会長の西本聡士さん(70)=光市=と元周南市議会議長の米沢痴達さん(72)=周南市=▽旭日双光章は元県薬剤師会副会長の年光芳信さん(73)=周南市=と元下松市歯科医師会長の原田正剛さん(74)=下松市=▽旭日単光章は元光市選挙管理委員長の岡室勝さん(84)=光市=が受章する。
瑞宝双光章は保護司の堀江一道さん(72)=周南市=と元光市助役の重岡靖彦さん(84)=光市▽瑞宝単光章は元下松市消防団花岡分団長の仁谷豊明さん(66)=下松市=が受章する。仁谷さんは県内の受章者で最年少になる。
| 旭日小綬章 | 境界画定で円満な土地取引を 元県土地家屋調査士会会長 西本 聡士さん(70) | 光市光井 |
24歳で土地家屋調査士の資格を取り、25歳で事務所を開業。県土地家屋調査士会の理事、副会長を経て、2006年から14年まで2期8年にわたり会長を務めた。「調査士として45年間やってきたことが報われたような気持ち」と笑顔を見せる。
光市出身。大学4年の時に第1次オイルショックが重なり、景気に左右されない職業として土地家屋調査士を選んだ。不動産の登記に必要な広さや形状の調査、測量を手がけ、土地の境界確認の立会いにはこれまで2千件以上携わってきた。
会長在任中に、土地家屋調査士と弁護士による民間型の裁判外紛争解決機関(ADR)の「境界問題相談センターやまぐち」が発足し、その周知と利用促進に力を入れてきた。
土地が登記された際の区画線である筆界を筆界特定登記官が明らかにする「筆界特定制度」では、筆界調査委員として実地調査、意見提出をし、土地の境界トラブルの解決に尽力してきた。
モットーは「杭を残して悔いを残さず」。山口家庭裁判所の調停委員、光商工会議所の監事も歴任。調査士は定年がなく「健康に努め、これからも体が続く限りがんばりたい」と話している。(山根正)
| 旭日小綬章 | 市民に開かれた議会運営に 元周南市議会議長 米沢 痴達さん(72) | 周南市須万 |
周南市須万の真光寺の住職のかたわら、旧徳山市議、周南市議を21年間務めて、市政の発展と振興、福祉の向上に尽力した。受章に「身に余る光栄で恐縮している。多くの人との出会いに育てられた。今は外野ながら周南市政を見つめている」と後進に期待を寄せる。
周南市議会副議長を経て2011年から5年間、議長を務め、「公開」をキーワードに市民に開かれた議会運営に貢献した。
「議会改革の生みの苦しみがあった。毎日が一生懸命。つらいと言えばつらいが、でもやりがいもあった」と振り返る。
豊富な経験と洞察力、調整力を発揮し、次年度の予算に議会の意見を反映する「行政評価システム」の導入▽インターネットでの議会中継開始▽会派質問制の導入▽「こども議会」開催▽議会だよりの点訳▽議会からの地域医療を守る条例制定など、市民のための議会運営に意欲的に取り組んだ。
15年から1年間は全国市議会議長会の副会長も兼ねた。雨雪の日も大変だったが、絶え間なくやり抜けたことにほっとしている」とおだやかな表情を見せている。(山下仁美)
| 旭日双光章 | 生涯現役の歯科医師に 元下松市歯科医師会長 原田 正剛さん(74) | 下松市末武上 |
歯科医師として46年、地域の歯科医療の充実と発展の先頭に立ってきた。受章に「私のような者がいただいていいのかと驚いた。これからも生涯現役の歯科医師として地域のために尽くしたい」と意気込む。
父は久保小校長などを務めた小学校の教員だったが、歯科医師をしていた叔父や義兄の勧めで歯科医師を目指した。福岡県久留米市の歯科医院に2年間勤務した後、1975年に末武上に原田歯科医院を開業した。
開業の翌年から現在まで45年間、中村小の学校歯科医を務めて、口腔チェックや歯磨き指導など児童の歯科口腔衛生の向上に尽くした。最初の子どもたちはすでに孫がいるケースも多いという。
市歯科医師会の会長を6年務め、例会の定例化で風通しのいい運営や、休日診療の充実に尽力。徳山セントラルロータリークラブ会長を経験し、現在も社会福祉法人松星苑理事長、下松ジュニアソフトテニスクラブ会長を兼ねている。
趣味は木工工作、農作業と、あてもなく旅に出る「ぶらり旅行」で、さまざまな鉄道に乗る「乗り鉄」を自認する。しかしここ2年は「コロナ禍で全く旅行に出られない」とコロナ明けを楽しみにしている。(山上達也)
| 瑞宝双光章 | 「人を信じる」保護司30年 保護司 堀江 一道さん(72) | 周南市舞車町 |
周南市舞車町の大成寺の住職のかたわら保護司を引き受け、3年前からは周南保護区保護司会の会長も務める。犯罪や非行をした人たちの立ち直りを支える更生保護に30年以上取り組んでいる。
受章に「とまどったが、会や関係者、家族、友人などの協力していただいた皆さんの代表として感謝の気持ちで受けたい」と喜ぶ。
保護司の活動は犯罪や非行をした人たちとの定期的な面接、就職支援、犯罪の予防など多岐にわたる。これまでに20人以上を担当してきた。堀江さんは「人が好き。どんな人でも出会いを大切にその人を信じる」と話す。
活動はつらいこともあるが、うれしいこともある。担当した女性が結婚し、子どもが生まれた時に名付け親になってほしいと言われたことや、仲人の依頼もあった。
2012年に徳山港町に更生保護サポートセンターが誕生。行政、警察、児童相談所などとの連携も強くなった。個人での活動が主となる保護司。守秘義務を徹底しながら、保護司間の悩みの共有、相談も増えており、協力体制ができている。
「保護司がどんなことをしているのか知ってもらいたい」と認知度の向上が現在の目標。これからも人を信じ、活動を続けていく。(松井光希)
| 瑞宝単光章 | 火災、災害の最前線で36年 元下松市消防団花岡分団長 仁谷 豊明さん(66) | 下松市生野屋 |
19歳だった1984年に下松市消防団に入団し、昨年3月に定年で退団するまでの36年間、火災や災害の最前線で活動してきた。受章に「身に余る栄誉で、私一人ではとても受章できない。これからも地域消防の先頭に立つ後輩たちの活躍を見守りたい」と笑顔を見せている。
入団のきっかけは地域のソフトボールチームの仲間の誘い。笠戸島の笠戸船渠(現新笠戸ドック)に勤めながら消防訓練を重ねて、技能の向上に努めた。
そんな中、2012年2月に自宅近くで火災が発生した時は花岡分団生野屋部の部長として陣頭指揮に立ち、火勢の鎮圧に全力を挙げて被害の軽減に貢献した。
消防団活動では妻の留美さん(67)に「負担をかけた」とねぎらう。夜警活動の時は終了後、参加した団員を部長の自宅に招いて鍋料理を囲む習慣があったためで、料理の準備や片付けでは「妻に頭が上がらないほどだった」と苦笑する。
花岡分団長を最後に定年で引退したが、後進には「消防団に必要なのはチームワーク。家族のような付き合いを大切にしてほしい」と期待し、自身も「パトロールに参加するなど体の続く限り地域のお役に立ちたい」と話している。(山上達也)
