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【山口県周南市】切り絵のAtsuomiさん 国際コンクールでグランプリ
文化周南市「Source and Destination 原始と行き先」(Atsuomiさん提供)
山口県周南市を拠点に活動する、番組制作会社GI HOLDINGS所属の切り絵アートクリエイター、Atsuomiさん(47)が7月4日、山梨県で開催された「第3回トリエンナーレ2022国際切り絵コンクール in 身延ジャパン」で世界各国の作品の中からグランプリを受賞した。
Atsuomiさんは宇宙の誕生などをテーマに創作活動をしている。今回の受賞作品「Source and Destination 原始と行き先」はメタバースといった仮想現実など個人の創造物を「プライベートな宇宙」と考え、それらが連続して誕生する過程を表現。空気中の水素に例えて元素記号Hを敷き並べ、アクリル絵の具で色をつけている。色は下から黒→シルバー→ピンク→さびた銅→さびた鉄で、原始の無の世界からエネルギーを帯び、最後には「すべての物質が鉄になる」ようすを表している。
小さい頃から図工などものづくりが好きで、コンクールで入賞することもあった。会社員のかたわら趣味で創作活動していたが17年前に切り絵と出会い、世界に挑戦するため10年前に会社を退職。作家として独立した。
その頃から始まった同切り絵コンクールは3年に1回開かれ、第1、2回は優秀賞どまりでグランプリには届かず、第3回の今年、念願の受賞を果たした。作品は6日から11月27日(日)まで、山梨県の富士川・切り絵の森美術館で特別展示される。
アートとしての切り絵は認知度が低く、きっかけ作りのためにもグランプリがほしかったという。「これで胸を張って『私の切り絵はアートです』と言える。空間アートや映像とのコラボなど誰もやっていないことをすべてやりたい」と今後の活動にも意欲を見せている。