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経済 : 周南市のニュース
櫛ケ浜駅トイレに6400万円 汲み取りから最新式へ 入札は広成建設1社のみ
経済周南市周南市の櫛ケ浜駅のトイレなどの整備工事が進んでいる。完成は11月の予定。男子用、女子用、車いすで利用できて人工肛門などのオストメイト用の設備もある多機能トイレ、スロープも同時に設置される。これまでのトイレは昭和40年代に建てられた汲み取り式で、男女の区別もなかった。地域から長年水洗化の要望が出されていた。
このトイレなどは市が交通結節点環境整備事業で整備し、工事費は仮設トイレの設置、スロープ建設などを含めて6,424万円。トイレの広さは28.41平方メートル。今年3月の入札は鉄道関係の工事を多く手掛ける広成建設一社しか参加せず、同社が落札した。
同事業はバス、タクシーへの乗り換え地点になっているJRの駅など交通の拠点を整備するもので、2019年度は新南陽駅を整備し、20年度が櫛ケ浜駅。
今年3月に完成した新南陽駅の整備では、トイレのほか、駐輪場、スロープ、バスシェルターを整備した。工事費は8,800万円で、入札は櫛ケ浜駅と同様、広成建設が1社だけの参加で落札した。同社は19年の下松駅北口のトイレも施工している。
櫛ケ浜駅は山陽本線と岩徳線が分岐する駅で、野球場やキリンビバレッジ周南総合スポーツセンターなどがある周南緑地公園、初詣ででは市内最多の参拝者が訪れる遠石八幡宮の最寄り駅。徳山商工高もあり、高校生の利用も多い。
■近隣の駅も市が建設
工事が完成すれば高架化された徳山駅に続いて、新南陽駅、櫛ケ浜駅と両隣の駅のトイレなどがバリアフリー化されることになる。交通結節点環境整備事業では、21年度は大津島―徳山航路の刈尾待合施設の設計などに取り組んでいる。
下松市でも華陵高生徒などが利用する岩徳線の周防花岡駅の横に2010年に市が公衆便所を建設した。施工は地元の高橋建設で、建築費は1,089万9千円だった。
周防久保駅にも18年に市がトイレを建設した。こちらはやや小ぶりで女性専用はないが、男性用と多目的トイレがあり、建築費用は837万円。施工は地元の合田工務店だった。
下松駅北口便所は19年5月の完成。男子用、女子用、多目的トイレがあり、施工は櫛ケ浜駅や新南陽駅と同様に広成建設。建築費は2,586万9千円だった。
広成建設は同社のホームページによると、国鉄の輸送力確保を目的とする鉄道工事の専門業者として1941年に設立。中国地区山陽筋、四国の一部を営業エリアに、線路の保守・整備、線路の新設、鉄道関係のトンネル、橋りょう建設などの事業を展開している。