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経済 : 周南市のニュース
【山口県周南市】徳山興産(株) 1000トンギロチンシャー導入
経済周南市供給能力高めステンレス産業に貢献
山口県周南市栄町に本社を置きステンレス加工品の製造・施工・販売などを手掛ける徳山興産(管田英男社長)が栗屋工場に、金属切断加工処理をするギロチンシャー「1,000型ニューギロ」1基を導入した。既存の500トンギロチンシャーの老朽化に対応し、メーカーへの供給能力を高め、ステンレス産業の発展に寄与する。
同社は1951年にステンレスのスクラップ(くず)回収、販売を主業務に設立し、ステンレス加工へ事業分野を拡大。昨年には設立70周年を迎えた。原料販売部である栗屋工場ではビル解体などで出る県内外の鉄やステンレスのスクラップを回収、選別、切断加工し、メーカーに納入。同社売上の4割から5割を占める事業になっている。
ギロチンシャーは切断に使用する機械。油圧ショベルでスクラップを拾い上げて箱に投入、圧縮して刃で切断する。
新しく導入したのは千葉県に本社を置くモリタ環境テック製の1000型ニューギロ。千トン馬力の切断能力で、大きさや厚みのあるスクラップも切断できる。既存の機械から馬力が倍になったことで処理できるスクラップ量も増える。鉄のみを切断できる機械を有する工場が多いなか、ステンレスを切断できる仕様のギロチンシャー導入は同工場が県内初となる。
以前の処理方法は、ガスなどの熱でスクラップを溶かす溶断が6割、ギロチンシャーによる切断が4割ていどで、処理に人手や時間を要していた。今回の設備導入で処理方法を溶断2割、切断8割にすることを目指す。油圧ショベルからギロチンシャーのリモコン操作ができるため省力化にもつながり、作業効率の向上がはかれるという。
さらに同市栗屋にあるステンレスなど非鉄金属を切断加工するグループ会社、徳山メタルのスクラップも分担して処理できるようになり、生産性も高まることが期待できる。
日本国内でも高いステンレス生産量を誇る周南地域。管田社長(50)は「メーカー、ステンレス産業への原料の安定調達、安定供給に貢献したい」と地場産業への貢献に意欲を見せている。