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[OPEN]【周南】「親父の味を受け継ぎたい」 あの「東洋館」が移転オープン
経済周南市長く常連客から愛されてきた老舗食堂「東洋館」が7月29日、改装に伴う3年の休業を経て周南市若宮町に移転オープンした。
同店は56年前に現オーナーの濵田剛さんの父親である先代が同市銀座の地下街で創業。先代、先代の弟、先代の妻の3人で店を営み、これまで柳町、周陽りぼん商店街、糀町、柳町へと移転してきた。多くの常連客は移転後も足しげく通っていた。
6年ほど前に先代の弟が体調を崩し、閉店の危機に陥った。当時、バス会社に勤務していた剛さんが働きながら仕込みを手伝うようになった。
しかし、その3年後に父親が急逝。父のレシピや盛り付けをメモや絵に残していた剛さん。56年続いた「父の味を受け継ぎたい、母親が元気な内に一緒に店を再開したい」と転職を決意した。
日中は会社で勤務し、夜間や休日を利用して兄や、友人の手を借りながら2年近くかけて、店舗の内装、外装全て業者に頼らず改装した。
店内はカウンターのみ8席。コンパクトな店内だが、昭和レトロなテレビを設置するなど随所にこだわりを感じる。
料理はハンバーグ、ハム、エビフライにごはんが付くAランチ(1,200円)や、カツ丼(900円)などのほか、貝柱のフライやエビフライなど単品メニューも用意。マヨネーズやドレッシングなど全て手作り。
スペインのバスク地方の料理学校で学んだ剛さん特製のバスクチーズケーキや、先代のレシピで作ったプリンなどデザートメニューもある。
剛さん(47)は「両親が56年店を続けたことは本当にすごいこと。先代の味を受け継ぎながら、地元の食材をなるべく多く使いたい。手間暇を惜しまず続けていきます」と話す。
母のヨシ子さん(79)は「息子が声をかけてくれた時は本当にうれしかった。多くの皆さんに本当に感謝の気持ちでいっぱいです」と笑顔を見せた。
メニューの一つひとつから家族への愛が伝わってくる同店。まずは、先代の時に通ってくれていた常連客に開店を知って欲しいと願っていた。
「東洋館」
周南市若宮町2-14
TEL.0834-34-1467
営業時間:午後6時~午前0時 ※早じまいあり(午後6時~6時半の間のみ予約可能)
定休日:月曜、火曜