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経済 : 周南市のニュース
[㈱トクヤマ]堅調な先端用途半導体、原油価格は下落 3月期決算報告は増収増益
経済周南市周南市御影町の総合化学メーカー、㈱トクヤマ(横田浩社長)は4月29日、グループ全体の2025年3月期連結決算を発表した。
半導体関連製品の販売が堅調に推移したことで売上高は対前期比で10億円増の3430億円、原料となる石炭価格の下落による製造コストの改善で営業利益は43億円増の299億円、経常利益は32億円増の295億円で増収増益。増収は2期ぶり、増益は2期連続となった。
低迷している半導体市場はまだ回復していないが、AIなどの電子先端材料が回復傾向にあり、前年から90億円増の870億円を売り上げ、営業利益は62億円増の95億円で各セグメントの中で唯一の増収増益。
期末配当は予定通りの50円で、年間配当は前年の80円から100円に増配した。26年3月期は中間・期末とも60円を予定し、年間配当は2期連続で20円の増配見込み。株主還元の充実化と資本効率の向上を目指す。
26年3月期の業績は米国関税政策の影響が不透明なものの、半導体市場が先端用途を中心に一定の回復を想定し、売上高は214億円増の3,645億円、営業利益は115億円増の415億円、経常利益も119億円増の415億円と見込む。
歯科器材はトクヤマデンタルの新棟が竣工し、さらなる拡販を目指すとしている。
22日にリリースした「資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた対応について」のアップデートも発表し、政策保有株式の縮減で25年3月期には23銘柄のうち12銘柄を完全売却し、3銘柄は一部売却。26年3月期においてもこの3銘柄を中心に縮減する。
この日は同市の徳山製造所で会見があり、奥野康所長が出席。「半導体関連で先端材料が回復した。収益を得ているうちにキャッシュを稼ぎたい。今後は健康資材も伸ばしていきたい」と話した。
25年度の主要部門の主な品目、売上高、営業損益は次の通り。
化成品=カ性ソーダ・塩化ビニル樹脂
1,150億円(前期比0.5%減)、108億円(6%減)
セメント=セメント
647億円(3.7%減)、74億円(11.1%増)
電子先端材料=半導体向け多結晶シリコン・ICケミカル
870億円(11.7%増)、95億円(186.8%増)
ライフサイエンス=歯科器材・プラスチックレンズ
419億円(1.4%増)、78億円(9.1%減)
環境事業=イオン交換膜・廃石こうボードリサイクル
52億円(29.4%減)、5,200万円(前期は営業損失1億200万円)