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経済 : 周南市のニュース
[この人に聞く]東ソー㈱常務執行役員南陽事業所長 児島 康弘さん(60)
経済周南市総合化学メーカー、東ソー㈱の周南市にある南陽事業所は周南コンビナートを構成する主要企業の一つ。苛性ソーダやポリエチレンなど基礎素材やそこから生まれる付加価値素材のプロダクトチェーン事業▽バイオサイエンスや高機能材料など先端事業の両方の拠点であり、CO2を削減、抑制するカーボンニュートラルにも取り組む。そのために巨額の投資も続く。新事業所長の児島康弘さんにこれからのかじ取りについて聞いた。
(聞き手・延安弘行)
― 副事業所長からの就任ですが、まず取り組みたいことからお願いします。
児島 明るく安全安心で収益力豊かな事業所ということに尽きます。これまでも取り組んできたことですが、さらにいい事業所にしていきたいと思います。
― 今年度は2027年度まで3年間の中期計画のスタートの年です。
児島 本当に変わろうとしているところだと思います。カーボンニュートラルでは、今、ここからもクレーンが見えますが、バイオマス発電所を建設中です。商業運営は来年4月ですが、秋には試運転に入ります。輸入したホワイトペレットや、建築廃材を燃料とすることでCO2を減らします。投資額は400億円強になります。
収益面ではプラスになりませんが環境対策として重要です。
― 二酸化炭素の回収はもうスタートしていますね。
児島 アミン水溶液を使って燃焼ガス中のCO2を回収し、ウレタン製品の原料として使っています。
― 750億円をかけてクロロプレンゴムの製造プラントを増強する計画も発表しています。
児島 2030年の稼働になりますが、こちらは収益改善になります。
― 収益の確保と脱炭素の両立、収益面では既存のチェーン事業と先端事業のバランスが大切ですね。
児島 利益率の高い先端事業の比率をあげていきたいです。利益率は高くなくても売上額の大きい製品と、両方あることが強みですから同じくらいの比率にしていきたいと思います。
― 事業所長として重視することを改めて教えてください。
児島 やはり重要なのは安全安定という点で、確実にトラブルをなくし、お客さんに迷惑を掛けないことがベースになります。トップの人間が苦しく厳しい状況でも、明るく元気に振る舞うことが一番重要だと思います。
― これまでの仕事の中で印象に残っているものをお願いします。
児島 ウレタンの原料の一酸化炭素のプラントを建設するプロジェクトチームにいた時は東ソーにとって初めてのプラントで、2カ月ほどですが、2交替勤務に入るなどして安定操業まで1、2年ほどかかりました。苦労したが学ぶことも多く、一番、実力がついたと思います。
― 製造業では人材の確保が課題になっています。東ソーは定着率が高いことで知られています。
児島 働きやすい職場づくりへ、スタッフがいる古くなった事務所を新しくする工事を行っています。将来を見越して女性専用のスペースも充実させるようにしています。三交替も女性が入ってきていますし、スタッフも女性が増えてきています。
― すでにカーボンニュートラルやクロロプレンゴムなど大きな投資が進行中ですが、その後はいかがですか。
児島 次にやりたいこと、投資したいことを人員の状況も見ながら着実に計画していきたいと思います。
― 今日はどうもありがとうございました。
[プロフィール]児島康弘(こじま・やすひろ)さん
鹿児島県出身。九州大学工学部を卒業、同大学院工学研究科化学機械工学専攻(修士課程)を修了して東ソー㈱に入社した。勤務地はずっと南陽事業所。2013年から塩ビ製造部長、18年からウレタン製造部長をいずれも5年間務めた。20年から執行役員南陽事業所副所長兼ウレタン製造部長、23年から上席執行役員南陽事業所副事業所長、6月から常務執行役員南陽事業所長。
同事業所は敷地面積300万平方メートルで、単一事業所としては日本最大級。約2,200人が働いている。
