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【周南地域】下松市は除去、周南市は提供継続 小1ウズラ卵窒息死で3市学校給食対応 光市は献立にないが「かむ大切さ」徹底
地域その他学校給食のウズラ卵を福岡県みやま市の小学校で1年生の男子児童(7)がのどに詰まらせて死亡した事故を受け、山口県周南3市の教育委員会でも子どもたちへの注意喚起やウズラ卵の提供を控える動きが出ている。各市教委の学校給食部門を取材した。
(山上達也)
文科省から各校に「窒息事故防止」通達
みやま市のケースは2月26日、小1児童が給食のおでんに入っていたウズラ卵をのどに詰まらせたが吐き出せず、ドクターヘリで搬送された病院で窒息死が確認されたという。
これを受けて文部科学省は都道府県教委を通じて全国の市区町村教委に、給食時の窒息事故を防ぐための指導を徹底するよう求める通達を出し「丸い形状の食べ物は咽頭部に詰まる可能性が高いため、十分な注意が必要。発生後はすぐにほかの教員に119番通報を依頼し、詰まったものを除くこと」を求めた。
【下松市】「安全安心第一」でウズラ卵中止
3市のうち下松市では、小学校向けのウズラ卵の提供を当面、見合わせることにした。今月は8日(金)のおでんの中に含まれているウズラ卵の提供を中止し、ほかに予定しているちくわ、昆布、さつまあげ、なまあげ、がんもどき、とうふを少しずつ増やすなどして対応する。中学校向けにはウズラ卵を提供する献立はないという。
同市では小学校、中学校の給食を別々の給食センターで調理。調理数は両センター合計で1日約4千食。
小林政幸学校給食課長は「保護者には一連の経緯を説明する文書を学校を通じて配り、ご理解をお願いした。これからも安全と安心を第一に対応していく」と話していた。
【周南市】「中華丼」「八宝菜」など予定通り
周南市は教員を通じて子どもたちに「食べ物はしっかりかんで食べる」などの指導を徹底した上でウズラ卵の提供を続ける。当面は6日(水)の高尾給食センターの「中華丼」▽13日(水)の新南陽給食センターの「八宝菜」▽22日(金)の栗屋給食センターの「皿うどん」にウズラ卵が含まれている。
同市では小中学校の給食の献立は同じで、量で差をつけている。調理数は小学校約6,800食、中学校約3,600食。栗屋(8校)▽住吉(4校)▽高尾(7校)▽新南陽(14校)▽熊毛(6校)▽鹿野(2校)の各学校給食センターで調理している。
河村武志学校給食課長は「事故発生翌日の2月27日に“よくかんで食べること”を求める市教委の通達を各学校に出し、28日の国からの通達も伝えた。各学校では給食前の校内放送で“よくかんで食べるように”と注意を促している」と説明している。
【光市】懸念食材も
一方、光市は当面、ウズラ卵を使う献立がないが、このたびの事故を受けて「しっかりかんで食べるように」との指導を徹底する方針を打ち出した。文科省からの通達は全校に伝達した。
同市では光井の学校給食センターで市立小中学校の給食を一括調理している。調理数は小学校1,964食▽中学校1,066食。
市学校給食センターの高橋義明所長は「ウズラ卵は出していないものの、ミニトマトなどのどを詰まらせる可能性がある食べ物は多い。この事故を機に、かんで食べることの大切さを子どもたちに改めて教えたい」と話していた。