ニュース
地域 : その他のニュース
[中学部活動地域移行]【全国】全中大会9競技が2年後から廃止 ハンドボールなど代替大会を検討 教員の負担改善なるか?
地域その他公益社団法人日本中学校体育連盟(中体連)は昨年、主催するスポーツの全国大会「全国中学校体育大会」(全中大会)を2027年度から、実施競技を減らして大会規模を縮小することを決めた。
少子化による中学生の減少や大会運営に伴う教員の負担、部活動の地域移行、地域クラブの参入などの要因から全中大会の在り方を検討し、持続可能な大会運営を図る。
ハンドボール含む9競技が中止に
22年度の調査に基づき、男女とも部活動設置率20%未満の競技を縮減する。
27年度以降はハンドボール、水泳、体操、新体操、ソフトボール男子、相撲、スキー、スケート(29年度まで開催)、アイスホッケーが開催されなくなる。
これらの競技は同連盟の競技部組織も解散する。対象競技には周南地域でこれまで盛んだったハンドボールも含まれている。
地区や県は継続検討
全国大会は中止でも、ブロック大会や県大会は各中体連の実情によって開催する。
山口県中体連では中国中体連が中国大会として開く競技については県予選大会も開催する意向。
中国中体連は全競技での継続を検討しているが、1競技のみ厳しそうとの見解。今後も各所と協議を続ける。
日本ハンドボール協会が代替大会
中学生が全国の舞台で輝ける場が減ることを危惧し、各競技の協会や連盟は代わりの大会を検討している。
日本ハンドボール協会は地域のクラブが競う既存のクラブカップと全中大会を一括し、部活チームも出場できるように変更する方針。各都道府県の代表と開催地枠チームが全国1位を目指す。
この事態に山口銀行の女子ハンドボールチーム、YMGUTSの東佑三監督は「私も中学からハンドボールを始めた。子どもたちが主役になれる取り組みを願っているし、やっていかなければと感じている」と話す。
1日数百円で教員拘束
各所で代替案が検討される中、大会審判など運営や準備を担ってきた各部活動の教員の大きな負担が浮き彫りになった。
大会で1日拘束される教員の手当はほとんどなく、学校から会場までの距離1キロにつき30円の移動費だけ。たとえば徳山駅からゼオンアリーナ周南まで約4キロで手当は120円。日当や休日手当はなく、平日に休みを取れる制度はあるが、実際は難しい。
子どもたちが安価な登録費で大会に出場できるのは、教員の努力で支えられている。
教員の負担軽減や、対価報酬の支払いができるのか、部活動がなくなった後の運営人材をどう確保するのか、子どもたちは全国大会に出場できるのか、心配する声が多数聞こえている。