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石膏ボード再生で発明協会長賞 セメント開発Gの平中、片岡さんが受賞
地域周南市周南市の㈱トクヤマ徳山製造所(安達秀樹製造所長)のセメント開発グループの平中晋吾主席(50)と片岡誠主席(45)が「石膏ボード廃材から石膏を再生する方法」で、10月25日に発明協会が広島市で開いた中国地方発明表彰式で発明協会長賞を受賞した。
2人はセメント部門で廃棄物をセメントの原燃料にする技術などの開発に携わっているが石膏ボードもその廃棄物の一つ。石膏ボードは建物の壁、天井などの内装材として年間400万トンが使われ、100万トンが解体などで廃棄物となっている。ところがセメント材料としては大量に使用できず、埋め立て処理にも規制があることから再生できないか、研究を始めた。
平中さん、片岡さんは廃棄物として回収された石膏を130度に加熱すると水に溶けやすくるなる性質を利用、連続的に反応させて安定的にボードの原料を生産できるシステムを開発し、石膏ボードメーカーのチヨダウーテとの合弁会社、トクヤマ・チヨダジプサムを設立、2013年に三重県に年間処理能力4万トン、16年に千葉県に8万トンの能力がある工場を建設した。
この技術では今年6月にも同社とトクヤマが国立環境研究所主催の第46回環境省の環境大臣表彰を授賞している。
特許は平中さんと片岡さん、それに㈱トクヤマを定年退職後も嘱託として勤めていた同社の開発のエキスパートで昨年亡くなった多田玄治さんの3人で取得。今回の発明協会会長賞は平中さんと片岡さんが授賞し、会長賞を授賞した発明者が所属する企業の代表者に贈られる実施功績賞をトクヤマの横田浩社長が授賞した。
平中さん、片岡さんは表彰状と盾を手に「技術的なことを認めていただき、技術者冥利につきる」と授賞を喜んでいる。