2025年11月13日(木)

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【周南市】徳山高徳山北分校・鹿野分校 地域を彩る79年の歴史に幕 卒業式兼ね閉校式

  • 花束を手に退場する卒業生(鹿野分校)

  • 呼名で起立する卒業生(徳山北分校)

両分校とも跡地利用未定

 山口県周南市須々万奥の徳山高徳山北分校(徳田充校長、3人)と鹿野下の同鹿野分校(同、5人)で1日、卒業証書授与式を兼ねた閉校式が開かれた。両分校とも3月31日で閉校するが、跡地や建物の利用は未定。(山上達也)

離合繰り返した数奇な運命の両分校

 両分校は1944年に現在の徳山北分校の位置に新設された県立都濃(つの)農林学校が源流。戦後の学制改革で普通科と農業科を置く都濃高になった。

 49年に新設した鹿野校舎は76年に分離独立して鹿野高になった。都濃高も同時に徳山北高になった。

 ピーク時で徳山北高は約600人、鹿野高は約400人の生徒がいたが、少子化で両校とも生徒数が激減し、2012年以降はともに徳山高の分校になった。両校は開校から閉校に至る79年間、分離と合流に彩られた数奇な運命をたどった。

 都濃農林学校▽都濃高▽徳山北高▽鹿野高▽現在の両分校の卒業生の総数は約3万人。

徳山北分校「夢に向かって、未来への一歩を」

 徳山北分校では3人に卒業証書を授与した徳田校長が「まもなく徳山北分校の時間は止まる。とてもよい最期の日を迎えることができた。一人一人が“今のここ”をしっかりした過去にし、素晴らしい未来に進んでほしい」と式辞を述べた。

 県教委の繁吉健志教育長のあいさつや、来賓の県議会議長代理の新造健次郎県議、同分校育友会の田中真理会長の祝辞が続いた。さらに同分校の廣實健太同窓会長や河村謙一体育・文化後援会長、有馬孝志須々万地区まちづくり推進協議会長、中村洋一須々万地区自治会連合会長ら来賓が紹介された。

 卒業生を代表し行田嵩(ゆくだ・たかし)さんが「私たちはこれから夢に向かって、未来への第一歩を踏み出します。感謝の気持ちを忘れず、徳山北分校で学んだことを生かして、最後の卒業生として必ず夢をかなえてみせます」とあいさつ。玄関の木製の校名板を「本校で大切に保管して下さい」と徳田校長に渡した。

 須々万地区まちづくり推進協議会の有馬会長(77)は「寂しいが、これも時代の流れかと思う。生徒の在学中は閉校後の土地や建物の活用策の議論は控えていたが、これからは積極的に動き、県や市とも話し合いを持ちたい」と話していた。

鹿野分校「5人それぞれの新たな道を」

 鹿野分校でも徳田校長が、卒業生の奥原七虹(ななこ)さん▽重安咲枝さん▽髙野みゆきさん▽堀江和葉(かずよ)さん▽松田結愛(ゆうあ)さんに卒業証書を渡した。

 徳田校長の式辞、県教委の繁吉教育長のあいさつ、新造県議による県議会議長の祝辞代読は徳山北分校と同じ流れ。来賓は同窓会、PTA、学校運営協議会の役員、地元小中学校長などで、徳山北分校のような地域の代表者の出席はなかった。

 卒業生代表の重安さんが「私たち5人はあすからそれぞれの新たな道を歩み始めます。つらいことや大変なことがあっても、鹿野分校で学んだことを思い出し、再び歩みを進めていきます」とあいさつ。髙野さんが校名板を徳田校長に渡した。

 鹿野高と鹿野分校の合同の同窓会、鹿友会(ろくゆうかい)の瀬来英人会長(63)は「閉校は寂しく残念。立派な校舎と広いグラウンドを生かして、例えば周南公立大のサブキャンパスなどで活用してもらえないか、地元から声を上げていきたい」と話していた。

 4月1日以降、両分校や前身校の卒業証明書、単位取得証明書など各種証明書発行の事務は統合先の徳山高が引き継ぐ。4月1日以降の問い合わせは徳山高(0834-21-0009)へ。

 同窓会は、徳山北分校は徳山北高同窓会・緑陽会(田村勇一会長)と徳山北分校同窓会(廣實健太会長)が別々にあり、今後の対応は未定。鹿野分校は鹿野高と合同の鹿友会があるが、瀬来会長は「総会などで今後の方針を話し合いたい」としている。

校名板を持つ徳田校長と髙野さん(鹿野分校)

校名板を持つ徳田校長と行田さん(徳山北分校)

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