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　周南市の市立中学校の部活動が2026年度までに、平日・休日も含めて全て「周南市地域クラブ」へと移行する。25年度までを改革期間とし、26年度の3年生最後の大会を目処に完全移行を目指す。

　平日も含めた移行を積極的に進める自治体は稀で、全国でも静岡県掛川市と同市の2市が先行していると言われている。

課題多い平日移行

　平日も含めた全面移行は解決するべき課題が多く、まずは休日のみの移行を目指す自治体が多い中、全面移行を決めた同市。

　近い将来、学校部活動の維持が困難になると想定されることと、令和4年11月に小学3年生から6年生の児童にとったアンケート結果から“子どもたちの選択肢を増やそう”と平日も含めた移行に踏み切ったという。

　同市の学校教育課、教育政策課、生涯学習課、文化スポーツ課、地域づくり推進課の２部署、5課が連携し、部署の垣根を越えて進める。学校、地域と連携して団体の紹介や活動もサポートする予定だ。

　下松市と光市では具体的な取り組みは開始しておらず、来年度から試験運行や休日のみの地域移行を徐々に進める見通しで、制度などを検討している。

議会でも質問飛び交う

　27日から始まった同市議会では7会派のうち5会派が地域移行について質問。市民の関心度の高さが表れた。

　各会派は保護者が理解していない、中山間地域への対応、指導者の報酬、保護者の負担増、土日のみ移行する市が多い中なぜ平日もするのか、などをただしたが、答弁は「専門部会で検討中」が目立ち、大半は有意義な回答を得られなかった。

保護者からは心配の声も

　これまでは「文化体育後援会費」などの名目で学費の一部から部活動費用、文化祭・体育祭費用がまかなわれてきた。今後は部活動費分が減額になるというが、地域クラブでは団体が会費を設定するためこれまでより活動費が高くなる可能性は大いにある。

　困窮家庭では子どもが部活に参加できなくなることも考えられる。これには市も重要課題と捉えて支援が必要としているが、支援の財源については市が持つのか、県または国なのか様子見の状態。

　共働き夫婦や1人親家庭も多い現代。ある保護者からは「学校から活動場所までの送迎が必要になった場合、仕事を抜けての送り迎えが現実的に難しい」、「現状でも希望の部活がない場合、地域のクラブチームで活動できるのに、なぜ必要なのか」と疑問の声もあがっている。

　市は専用バスを出しての送迎も検討したが、運転士不足や費用などから断念したという。
　高校生の地域移行への意向については、中学校に比べ学校当たりの生徒数、部活動数が多いことから国は慎重な構えだ。

　活動場所の確保や、吹奏楽の楽譜や楽器の購入負担、部活離れによる体力低下など課題が尽きない平日の地域移行。子どもたちの不利益にならないよう、慎重に取り組んで欲しい。

［イベント情報］

　周南市と市体育協会は市内の小中学生と保護者、地域住民を対象に3月3日（日）、16日（土）、17日（日）、31日（日）、休日クラブ体験実証事業の「スポーツ・文化活動体験会第2弾」を開催する。

　詳細は下表の通り。

　参加料500円で各日50人。申し込みは専用フォームから、イベントの問い合わせは市体育協会（0834-28-0006）まで。