ニュース
地域 : 周南市のニュース
【周南】114年ぶりに戸田駅建て替え 明治から令和まで地域見つめて
地域周南市周南市夜市にあるJR山陽本線戸田駅の駅舎が、1911年(明治44年)に建設されて以来、114年ぶりに建て替えられた。明治、大正、昭和、平成、令和と5つの時代にわたって地域を見つめ続けた駅舎だったが、老朽化と駅員の無人化に伴って小さな駅舎に代わった。
(山上達也)
「夜市に戸田駅」は妥協の産物?
戸田駅は1911年3月1日、すでに開業していた山陽本線の福川駅―富海駅間に新設された。もともとは当時の戸田村(現周南市戸田)の中心部に線路が敷設される予定だったが、住民の反対運動に遭い、人口の希薄な海沿いのルートに変更されたという。
しかし開通後、戸田村内に鉄道の便利さが伝わると村では一転して「戸田駅誘致期成同盟」が結成されるが、線路の敷き直しは物理的に不可能なため、村境に近い夜市に戸田駅を開設することで決着を見たと伝えられる。
このたび解体された駅舎はこの時に建てられたもので、天井が高い木造の堂々としたたたずまいだった。きっぷ売り場のほかに待合室や手荷物・小荷物の受け渡し台、まだ自動化されていなかった線路のポイント切り替えの駅員のための宿直室や風呂もあった。
ちなみに1911年は中国で清朝打倒の辛亥革命が起きたり、ノルウェーのアムンゼンが史上初めて南極点に到達した年に当たる。
2006年には映画のロケ地に
そんな戸田駅も1984年のCTC(列車集中制御装置)導入で駅員による運転の取り扱い業務がなくなり、87年に駅員が無人化された。1日平均利用者数は2000年448人▽10年386人▽20年296人と減り続けた。
2006年には戸田駅全体が映画「旅の贈りもの 0:00発」のロケ地になり、ミステリートレインの出発駅「玉造温泉駅」として登場した。
市が屋根付き駐輪場を建設
駅舎の解体は今年1月から始まった。新しい駅舎はわずか5メートル四方と小さく、中に自動券売機(ICチャージ機)と簡易型自動改札機があるだけだ。
市はすでに旧駅舎解体前に公衆トイレを駅前に設けており、今後は旧駅舎の跡地に約60台分の屋根付きの駐輪場を建設する。
通学で戸田駅を利用している男子高校生(17)は「これまでの駅はすごく立派だったけどかなり古かった。今度の駅は小さいけど不便はない。屋根付きの駐輪場が早く完成してほしい」と話した。
