ニュース
110番 : 周南市のニュース
【周南】[日鉄ステンレス]猛烈な爆発音、薄茶色の煙立つ 山口製造所周南エリアでダクト破裂事故 耳の痛みで1人搬送
110番周南市30日午後0時7分ごろ、周南市野村南町の日鉄ステンレス㈱山口製造所周南エリアから大きな爆発音とともに薄茶色の煙が上がった。現場の近くにいた男性従業員(28)が耳の痛みと鼻血を出して病院に搬送されたが、周辺への被害やガス漏れなどの情報はない。
排ガスから粉じんを除く工程で破裂
同製造所によると、爆発音は製鋼工場のステンレスのスクラップを溶かす電気炉と、粉じんが外に漏れ出さなくする集じん機をつなぐダクトが破裂したものによると見られる。
煙は酸化した金属片の粉じんと見られ、事故直後に読者が撮影した写真では、薄茶色の煙がかなり高く上がっている様子がわかる。
事故時には近くの電気炉操作室に従業員5人がいたが、ケガはなかった。事故後から製鋼工場はすべての工程を停止しており、再開の見通しは立っていないという。
同社は事故発生から1時間後に構内で報道各社の取材に応じた。同製造所の内田俊彦製造所長、伊豆忠浩製鋼工場長が「ご心配とご不安をおかけし、深くお詫び申し上げます。原因究明を急ぎ、再発防止に全力をあげます」と頭を下げた。
伊豆工場長によると病院に搬送された男性従業員は構内の診療所で手当てを受けた後、午後1時過ぎに病院に搬送された。命に別条はないという。
破裂したダクトは直径約1.8メートル、長さ約40メートル。最近では4月26日に管内を点検したという。
地方紙、業界紙の見学会は予定変更
同製造所は旧日新製鋼周南製鋼所を継いだ周南エリアと、旧新日鉄住金ステンレス光製造所を継承した光エリアで構成している。周南エリアでは製鋼工場と薄板工場が操業し、従業員は約980人。
破裂時の様子について、近くに住む女性(60)は「いきなり雷が落ちたような音がしてびっくりした。窓を開けると日鉄ステンレスの方向で大きな煙が上がっていた」と驚いた表情で話していた。
たまたまこの日は周南エリアで、翌31日は光市の光エリアで本紙などの地方紙や鉄鋼関係の業界紙の記者を招いた見学会が予定されていた。突然の事故で見学の日程はこの日が光エリア、31日が周南エリアに変更された。