2022年07月04日(月)

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「周南分断」ようやく解消! 衆院小選挙区の区割改定案

高村氏、林氏の去就が焦点

 衆院選では山口1区と2区に分かれていた山口県周南市が、総務省の衆院選挙区画定審議会の区割り改定案ですべて新2区に含まれることになった。これで周南3市はすべて同じ衆院小選挙区になり、衆院選に小選挙区比例代表並立制が導入された1996年以来、26年間も続いてきた「周南地域分断」が、次の衆院選からようやく解消されることになった。国政に向けて「周南地域の声」が一つになる効果は大きい半面、現1区の現職の高村正大財務大臣政務官(51)の処遇の行方が注目される。(山上達也)

現1区の高村氏

現2区の岸氏

新3選挙区とも35万人〜39万人で均衡

 県内の衆院小選挙区の現職は、阿東地域を除く山口市、防府市、熊毛地域を除く周南市の1区が高村氏▽岩国市、下松市、光市、周南市熊毛地域、柳井市、玖珂郡、大島郡、熊毛郡の2区が岸信夫防衛大臣(63)▽宇部市、山陽小野田市、美祢市、萩市、山口市阿東地域、阿武郡の3区が林芳正外務大臣(61)▽下関市、長門市の4区が安倍晋三元首相(67)で、いずれも自由民主党所属。

 改定案によると新1区は現1区の阿東地域以外の山口市と、防府市と現3区の宇部市、山口市阿東地域▽新2区は現2区全域と現1区の熊毛地域以外の周南市▽新3区は現4区全域に現3区の山陽小野田市、美祢市、萩市、阿武郡。これで周南市、山口市の選挙区分割が解消される。

 今月2日現在で県選管がまとめた選挙人名簿登録者数で試算すると、新1区は39万796人▽新2区は38万7938人▽新3区は35万6848人で、3選挙区とも絶妙な均衡が取れる。

なじみ深い3代の「高村ブランド」

 この区割りだと、新2区は岸氏が続投する可能性が高いが、新1区をめぐっては現1区の高村氏と現3区の林氏の去就が注目されそうだ。

 さらに今後の政局の動き次第では野党勢力の伸長もないとは言えない。かつて現2区で民主党の平岡秀夫元法務大臣が選挙区4回、比例復活1回の当選を重ねたケースもあり、保守王国とはいえ無視できない存在になる可能性もあると言える。

 高村氏は、祖父で1961年から76年まで徳山市長を4期務め、衆院議員も2期務めた故坂彦氏▽父で衆院議員を12期務めた元外務大臣の正彦氏(80)と、3代に渡って地盤を受け継いできた“高村ブランド”の体現者。

 とくに坂彦氏は新幹線徳山駅の誘致や周南団地の造成、徳山大(現周南公立大)の開校、徳山高専の誘致など現在の周南市の骨格を完成させた功績で、今も“名市長”の誉れが高い。

 衆院小選挙区の再編の中で「高村」の名前を、なじみ深い周南市の支持者が今後も投票用紙に書き続けことができるのだろうか。まもなく22日には参院選が公示され、来年4月には県議選や周南市長選が含まれる統一地方選がある。その中で高村氏の動きがどうからむのか、目の離せない時期が続きそうだ。

 一方、熊毛地域だけが現2区に含まれてきた周南市の藤井律子市長は17日、改定案に対し「選挙区が統合されることで効率的な投開票事務ができるようになり、一体感のあるまちづくりが進むものと思う。一方で県選出国会議員が減員されることは地方の声が国政に届きにくくなるのではと懸念している」とコメントを発表した。