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周南市1,102人、光市276人、下松市204人

　各市役所では会計年度任用職員が業務に大きな役割を果たしている。山口県周南市が3月現在で1,102人で、人数だけの単純計算では正職員を合わせた職員全体の44.7％、光市が昨年4月1日現在で276人で42.3％、下松市が今年4月1日現在の見込みで204人で32％となっている。

　会計年度任用職員は再雇用されることがあるものの、1年またはもっと短い期間で雇用される職員。1週間の勤務時間が正職員の4分の3の30時間ていどになると期末手当や社会保障があるが、それ以下の短時間の勤務ではいずれもない。平均年収も200万円を超えている人は少なそうだ。

　採用方法も光市は事務職員について登録制度を採用し、登録した人を各部署に割り振る形だが、同市のそのほかの職種や、周南市、下松市ではすべて各部署が必要な時にそれぞれの予算内で雇用する形をとっている。採用試験の方法も一律ではない。

　勤務内容は幅広く、年齢制限もなく、さまざまな事務や事務補助から保育士、司書など資格を求められるものも少なくない。給与は30時間未満では時間給、30時間以上では月額だが、金額はそれぞれ勤務内容などで異なる。

採用の大半、担当部署まかせ

　下松市は総務課人事係が勤務場所の一覧表を作成していて、勤務場所、勤務内容ごとに73項目が並ぶ。それぞれに勤務場所、勤務内容、給料、1週間当たりの時間、1日の勤務時間、社会保障、期末手当の有無が一目でわかるようになっていて、募集、採用の全体像を把握することもできる。

　例えば、2023年度の一覧表では、一般事務が、障害者対象を含めて34項目あり、最も人数が多いのが小中学校の教員補助員の36人、教員業務支援員10人、学校事務補助員9人もある。学校以外では市民課の戸籍住民係事務・マイナンバー事務が10人となっている。

　福祉事務の募集は、健康増進課で看護師、保健師を合わせると14人、歯科衛生士が2人。長寿社会課は介護認定調査に介護支援専門員などの資格を持つ人を8人、介護ケアマネジメントに3人。

　図書館の募集は司書または図書館勤務経験のある人を11人募集した。作業員・指導員の募集は都市政策課で緑化センターの作業事務の10人など13人。相談員も生活安全課、人権推進課、福祉支援課、子育て支援課で募集している。

　光市は総務部人事係が担当課と職種の一覧表を作成してホームぺ―ジにも掲載。人数は各部署ごとの募集内容を確認しなければならないが、一般事務、公共工事検査技官、介護認定調査員、保育士、子ども相談センターの支援員や相談員、伊藤公資料館職員、図書館職員など73項目が並ぶ。

　周南市は、一覧表がなく、人事課の窓口では各部署が用意した募集内容の書類をとじたファイルを用意している。このほかホームページや市広報には随時、募集内容を掲載している。こちらも児童クラブ支援員、市民課の窓口業務、動物園の職員、市民センターの宿直など多様な職種があるが、募集時期、雇用期間も各部署にまかされている。

　デジタル化やマイナンバーカード関係など市役所では新たな仕事や臨時的な仕事もあり、会計年度任用職員の役割は大きい。保育士、図書館司書、看護師や福祉関係の相談員など専門職について正職員での採用を減らして会計年度任用職員に頼る傾向も見られる。長期間勤務して政策の立案もできる正職員の専門職育成とともに、会計年度任用職員の採用方法や待遇が適切か、情報公開と第3者による検証ができる仕組みが必要と言えそうだ。

（延安弘行）