2025年11月19日(水)

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読者の声 : 周南市のニュース

[読者の声]コロナ禍に思う⑤

 9月に入り稲の色付き具合から、ぼつぼつ収穫のコンバイン作業の日程を決め、頼りになる孫息子等に手配をしなければいけない。家庭菜園の大根、カブ、ホウレンソウの種まき、白菜、キャベツの定植等がある。こうして書かしていただいている原稿も気になる。でもどれもやめておこうという訳にはいきません。また秋雨前線停滞による雨の心配があり、作業の段取りを大きく狂わせたりします。

 白髪のばばには重すぎる日程です。

 このような中で心に拍車をかけながら「私やりますよ、やらせていただきますよ」と前向きにやっています。

 8月末、県農協米部会より、トビイロウンカ警報の発令の知らせを受けました。

 今年はつゆが長く続きましたけれど、8月に入り、よいお天気続きで稲の作柄は良くなり、黄金色に色付いてきました。

 初めのうちの収穫は良かったのですが、日がたつにつれて稲が倒れるのです。畦のまわりの少しの稲は立っていて、中は白くなりウンカに枯らされて、一斉に一方向きに倒れました。以前にも田の中でウンカによる坪枯れができたことはありましたけれど、今年のウンカの発生は異常です。

 まわりのどの田もどの田も倒れています。どうもこの界隈だけでなく、少しずつ入ってくる情報では、広範囲に発生が及んでいるようです。ウンカの発生に気温や湿度の気象条件が合ったのでしょうか。

 間もなく90歳を迎える主人にとって米作りは無理であろうと、今年で最後にしようと思っていた矢先のことですが、このような現実が起きると考えさせられます。

 個人的な不都合で減収というものではなく、気象条件によるのか、トビイロウンカが天から降って来たのか、自然のことなのでどうしようもありません。

 このウンカにしてもコロナ禍にしても、今までにない人間の知恵や常識の枠を越えて、世を揺るがします。このように次々に起きる今までに経験したことのない事が起きるという事は、先の事はわかりませんが「これから先どう生きればよいか」と問われているように思います。

 今までのままでは生きられない事を、熟知した上で、表面的な物を求める世界、形を整える見栄や体裁の満足の世界ではなく、生き方を変え心の持ち方を変える時が、来たのであろうと思います。

 今年も内、外孫たち皆が収穫作業に携わってくれました。今までも作業は丁寧にやっては来ましたが、このウンカ被害のようすを皆が見て、コンバイン刈り乾燥籾すり出荷収納等、食物に対する思いを変えて終えることができました。=周南市大道理、兼俊美穂子(83)

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