2026年10月23日(金)

コラム「一言進言」

広報は地方自治の要

~現場に行かない広報マン~

■地方自治体にとって広報活動は最重要課題の一つだ。周南市では六年前の島津市長時代、何でも広告を集めろ、の大号令で市広報も取材からすべて広告集めも含めて外部委託にした。当時はそこまでしているとは知らなかった。広報は市職員が現場に出向き、市民の生の声を聞いて、市民に伝えると同時に、職員も担当者以外の目で現場を見て、大いに勉強になるものだと確信していた。たとえば災害現場を自分の目で見て、市民に警告を発する。そうした経験が、その後の公務員としての成長にも役立ったものだ。

■「日刊新周南」は市の広報紙か、と揶揄(やゆ)されることが多い。各市の市長が毎日の紙面に登場しているし、各種団体の活動、表彰もの、小学生の田植え体験まで、さまざまに掲載している。その積み重ねが今日まで何とか新聞を発行できた要因だ。地域の情報を知ることが、地域のコミュニケーションを保つとりでになる。

■どの地方自治体も行財政改革と称して経費削減に努めている。広報費も周南市だけでなく、各市で削減が進んでいる。知らず知らずにそのマイナス効果がじんわり市民の中に浸透している。削減対象になれば職員の意識も感覚も鈍ってくる。発行回数も徐々に減り、情報量も次第に減少してきた。行政マンと市民とのつながりは薄くなるばかりだ。

■今回、周南市は市広報をプロポーザル方式で入札にかけ、担当職員だけで審査し、従来の発想から抜け出すことを拒否した。担当職員の問題ではない。市政の根幹的な考え方がこうしたと考える。広報活動に対する明確な方針が見えてこない。職員が市民の中に入り込み、市民の声を吸い上げる機能がないと、広報は一方的な伝達に終わる。市民の欲しい情報は何か、日常的に職員が探るべき課題だ。

■光市は若手職員を市民の中に送り込む活動を始めた。県も職員を中山間地域に送り込もうと必死だ。いろんな地域のイベントで担当職員以外で会場に姿を見せる市の職員の少なさにいつも残念な思いをしてきた。木村周南市長もそうした経験は十分してきたはずだ。市の広報マンも訪れないようでは、何をかいわんやだ。

(中島 進)

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