2026年04月16日(木)

コラム「一言進言」

難しくなる地域医療

~医師会の役目も変わっていく~

小学生のころ、我が家には桜ケ丘高近くの中村医院の先生が往診に訪れていた。こちらから医院に行くことはなかった。夕方、高熱を出した私にニコニコ顔で手当てをしてくれたのを鮮明に覚えている。かかりつけ医と言うが、当時はそれが当たり前で、子どもが急に熱を出すと往診してくれた。もっとも、相当の熱でないと医者は呼ばなかった。

時代が変わり、年中無休の夜間休日専用の診療所ができて、そこに子どもを連れていくことになった。周南地区の中心部は医療関係に恵まれている。産婦人科も多いし、小児科も各地にあり、周南記念病院や徳山中央病院など救急病院もある。

これら地域医療を担ってきた徳山医師会が八十周年を迎えた。祝いの式典には懐かしい先生方も多く出席していた。昔は地域の政治にも多くの医師が参加し、医療だけではない関わり方をしていた。

先進医療情報が氾らんし、セカンドオピニオンを求め、開業医にも専門性を求める患者も増えてきた。歯科医にしてもインプラントなど虫歯治療だけではすまない時代だ。情報量も増え、雑誌で全国の病院ランキングが取り上げられる、がんだけでも肺がん、腸がんなどクラス分けまでされてきた。

大きな病気にかかれば、患者が望むのは、かかりつけ医にその症状から的確な病院を推薦してもらうことだ。何年も前だが、友人が原因不明の高熱などで徳山中央病院に入院した。たまたま診てくれた山大の血液系の先生が白血病と診断し、すぐに山大に移って治療を受けた。どうしてもっと早くと疑問だったが、病気を特定するのは難しいのだろう。

超高齢社会に向かって、地域医療の問題は難題を抱えて行く。医療費がかさむばかりで、若者から苦情が出る。どんな治療が有効か、どこまでの延命治療が必要なのか、判断は難しい。在宅医療にどれだけ精力を注げるか、医師会が抱えるテーマも正解がない。

周南地区は全国でも医師会組織が優れていると聞いている。有り難いことだ。今後は医師側から患者に、患者側から医師に互いの立場を尊重し合って、どうしたら双方がより納得できるか、話し合いができる場所ができれば、と願う。

(中島 

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