コラム「一言進言」
驚きの契約社員まかせ
~民営化の波と根は共通か?~
■行政直轄から民営化への流れは止まらない。給食センター、体育施設しかり。下松市では保育園の民営化を順次進め、浮いたお金で児童の医療費無料化を拡大している。多くの公共施設が民営化された。経費削減が最大の理由だ。これは公務員の給与が世間一般より高いことを自ら証明している。
■もう一つ気になるのが理由の一つにサービスの向上があげられることだ。公務員のサービスが民間のそれより劣っていることを宣言したのだ。「公務員はサービス業だ」と言った首長もいたが、公務員は社会の公僕、と教科書で習った。行政自らが公僕たり得ないからと宣言しているようなものだ。民間でも大企業との格差が激しさを増している。
■驚くことに現場管理者さえ契約社員に任せている。旭化成建材のくい打ちデータ偽造、流用問題は日本中の建設業界に衝撃を与えた。しかし、驚いたのは建物の要であるくい打ちの責任者が契約社員であったことだ。企業に一時的に帰属している人間に、肝心な仕事を任せているのだ。生活の基盤を揺るがすような事態を招いた責任者が契約社員なのだ。
■多くの上場企業が過去最高益をあげている。その陰に、多くの派遣社員、契約社員の働きがあると思うと素直に喜べない。旭化成も優良企業の一つだった。しかし、現場責任者は正社員ではなく、契約社員だった。
■高度成長期、公務員の待遇は民間企業に比べて悪かった。公務員にでもなっておくか、先生しか仕事がないからと言われた時代だ。それが今では、地方ではあこがれの職業だ。市民と接触する施設はことごとく民間委託され、一度公務員になれば、生涯安定した生活が送れるし、民間人とのごたごたにも関わらずにすむ。税金の徴収も民間委託の時代だ。大企業でも、きつい現場は派遣社員や契約社員が請け負っている。
■昔、父親が市の国保年金担当になった時、県内一、徴収率が悪かった。一軒々々回り、国保年金の大切さを訴え、床に包丁を突き刺されながら加入促進と集金に歩いた。市民の生活実態をつぶさに見たことがのちの福祉事務所勤務で役立ったと語っていた。
■今の公務員や大企業の社員たちは給食センターで働く現業員の実態も、汗まみれで働く現場で、音やにおいで異変を感じ取る大切さもわからなくなっていないか。くい打ち問題の元凶は、大切な作業を契約社員に任せるその体質にあるのではないか。国全体の体質改善が必要な時だ。
(中島 進)
