2024年12月11日(水)

コラム「一言進言」

20年先の日本を語れる国会議員は?

20年先の日本を語れる国会議員は? ~空恐ろしい将来に向かって投票を~(6月15日掲載)

■ 22日に公示される参議院選挙から18歳から投票できるのは知れ渡った。政治に関心がある高校生は少数だろう。何しろ世の中の仕組みを教わっていない。現代社会を習う前にほとんどは授業は終わっている。受験生ならなおさらだ。だいたい高校の先生が今の時代をどう伝えるのか疑問だ。中小企業の実態を知っていて、確実に伝えられる先生はいかほどか。介護現場を語れる先生はどれだけいるのか。我が国の問題点を指摘できる先生がいるのだろうか。
■ 高校の先生だけでなく、10年先、20年先の我が国の未来予想図を描ける大人がどれだけいるのか。国会議員からも、誰一人、このまま政治が続いた延長線上の姿を聞いたことがない。目の前の消費税先延ばしはわかるが、その先はどんな国になるのか、誰も語らない。より良い社会になるのか、どんな社会を目指しているのか。評論家も目先のことしか言わない。統計的には多くの自治体が消滅するという発表があった。そんな未来に向かって、何を基準に投票先を決めればいいのか。
■ 私が徳山に帰って新周南新聞社をスタートさせたころは、まだバブルの最後期で活気が残っていた。あっという間にバブルははじけ、知り合いの経営者の多くがこの地から姿を消した。建設業だけでなく、大企業も接待交際費は上限がないかのように、毎晩街に繰り出していた。しかし、日本沈没の様相で、経済が縮小、加速度的に冷え込んだ。団地から子どもの声が聞こえなくなったのもそのころからだ。20数年経て、子ども会も作れなくなった。
■ 我が国の現実はどう変わったのか。より良い社会を目指して大人たちは工夫してきたのか。30年前と比べて何が進化したのか。車の音がしなくなった。ハイブリッドカーのお陰だ。通信手段が多様化した。携帯電話が始まりだった。もう一つ、長生きになった。医療の進化のお陰だ。政治は常に将来を見据えて、国民が等しく幸せになるよう、知恵を駆使して対策を考えるものと思っていた。しかし、実際はその場限りの人気取り政策ばかりで、結局は一部の勝ち組以外は全員、敗北だ。選挙で選んだ国民のお陰だ。
■ 少子化対策も待機児童ばかり目につく。今、地方から子どもを関東の私立大学まで行かせるには、1人2,000万円はかかる。2人だと4,000万円。3人だと6,000万円。こんな教育費を払える家庭が全国にどれだけあるか。18歳から20歳までの若者にどんな将来像を訴えるのか楽しみだ。消費税の先延ばしは、結局、今の若者たちの将来の負担を増やすだけだ。社会人になったころ、保険料や税金は恐ろしいほど押し寄せてくる。子どもを育てるにはとても無理な状況だ。長いバラまき政治のつけを払うのは誰か。答えがわかっているだけに、空恐ろしい。

(中島 

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