2026年04月29日(水)

コラム「一言進言」

「万機公論に決すべし」

〜地方紙の役割を果たせ〜

万機公論に決すべし。「日刊新周南」の前身「徳山公論」発刊は、1946年9月7日だった。私自身、徳山に帰郷して1985年4月1日に日刊新周南を創刊するまでの2年間「徳山公論」を発行していた。当時多くのローカル紙があって、報道と言うより、主義主張を言うだけのための新聞も多かった。ゆすりたかり的な輩もいた。後に中国新聞に行ったが、F君というライターを広島から連れ帰って、どんな地方紙なら地域に役立つか、試行錯誤の繰り返しだった。あれから30数年を経て、定期的に発行を続けているのは、周南地域では光市の「瀬戸内タイムス」と「日刊新周南」だけになった。

茨城県つくば市の地域紙「常陽新聞」が3月31日に休刊した。地域の細かい話題も豊富で、行政の足りない所を指摘する新聞だったが、経営を維持できなくなった。惜しむ声も大きいが、地域に関心を持たない人が急激に増え、持続できなかった。そこそこの体制で発行してきた地域紙がどんどん休刊に追い込まれている。

インターネット上の情報がはんらんして、大きな全国ニュースはタダで手に入る。情報を得るのにお金を払わなくなった。地域の情報は地に足の着いた記者たちの取材でしか入らない。地方自治、政治にも関心を持たなくなった。各選挙の投票率の急激な低下はまさに危機的だ。文化活動、政治活動、地域おこし活動、どんな人がどんな活動をしているか、地方紙を見ないと情報は入らない。最近では行政マンもそんなことに関心を持たなくなった。目の前の与えられた仕事だけを無難にこなす。

かくして「地方創生」は言葉が一人歩きし、中身を伴わない空疎な活動になりつつある。地方紙の衰退は地方の衰退と正比例する。しかし、まだ希望は持っている。地域のために汗を流す人々は少なくない。そうした人たちと共に歩み。市民には行政のあり方、地方政治とのかかわり方などを知らせる記事を臆(おく)することなく提供し続けることが肝要だろう。

4月6日は「新聞をヨム日」だそうだ。私たちは読みたくなる新聞を作らなければならない。生活に役立つ情報、元気になれる情報。地域のためになる情報。やりたいことはまだたくさんある。5月15日には公論時代から数えて1万8000号になる。戦後焼け跡の中で産声を上げた地方紙が、ここまで続けてこられたのも多くの読者の支えがあってこそだ。先達の熱い想いを再度かみしめて「万機公論に決すべし」と言い続けよう。権力に屈することなく。

(中島 

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