2025年11月09日(日)

コラム「一言進言」

列を乱す年配女性、怒鳴る男性

~増える暴走老人に対策は?~

■年を取ると丸くなると言われるが、なかなかどうして暴走老人は増え続ける。先日、ATM(現金自動受払機)を使おうとしていたら、突然おばさんが乱入。「急いでるんだから」とはねのけて操作を始めた。唖然としてそばで待っていたが、終わってすみませんの一言もない。すたすたと帰るおばさんの後ろ姿にため息が出た。
■新幹線などでもそうだが、列に平気で割り込むのは年配の女性が圧倒的に多い。一方、カウンターで怒鳴り散らしているのはたいてい年配の男性だ。はなからけんか腰で話している。
■こんなに暴走する老人が増えるとは何という時代だろうか。確かに平均寿命が伸びて、お年寄りは元気だ。肉体的にはすこぶる健康になった一方で、精神的にはかなりすさんできている。その一因は核家族化の中での孤独感ではと思える。孫や子どもに囲まれていると、人間は丸くなる。1人だと周囲との関係も疑心暗鬼になる。
■地域で子どもたちを育てよう、地域でお年寄りを支えよう。スローガンは立派だが、それには相当のリーダーが必要だ。リーダーを育てる場所、システムが必要だ。私の知る元公務員の中には何人かリーダー的な活動をしている人がいる。法律や行政の仕組みもわかっているから的確な指導ができる。しかし、そんな人物は少数派だ。毎年多くの公務員が退職するが、地域と関わりを避ける人が大半だ。
■常に言っているが、首長の大切な役割は公務員の意識改革だ。取材を通して知り合った公務員で、現役時代、新聞記者と積極的に情報交換していた人は、総じて退職しても社会と関わっている。自分の仕事に自信を持っている行政マンは、むしろ記者の取材を喜ぶ。最近はどうだろうか。取材の申し込みにしり込みするか隠すことにきゅうきゅうとしている。
■市民にとってより良い施策を考え出すことが公務員の最大の仕事だ。どんな部署でも、どうしたら市民の生活がより良くなるか、アイデアは民間から吸収することだ。昔、旧徳山市ではごみの収集車には童謡「ぞうさん」のメロディーが流れていた。聞いた住民は急いでごみを出しに行った。それもいつの間にか流れなくなった。日曜日に住民課の窓口も開いていた。工場勤務の人にはすこぶる便利だった。
■話が飛んだが、暴走老人を少なくするのに妙案はない。核家族を防ぐ手だてを地道に続けることが最大の防衛策だろう。また地域コミュニティーを支えるために、市民と共に公務員も積極的に参加することも大切だ。失敗を避け、取材を避け、市民を避ける行政から抜け出すことだ。こう書く私も少々暴走老人の仲間入りをしているのかも。自戒を込めて書く。

(中島 

LINEで送る
一覧に戻る
今日の紙面
スバル合同会計 周南事務所

相続時や建物の購入売却時の相続税・資産税のご相談。
大切に育てた事業の譲渡や事業の拡大にむけて、複数の専門業者との提携で、お客さまの求める結果を一緒に目指します。

西京銀行

【取扱期間 2025年9月1日~2026年3月31日まで】お預け金額10万円以上。手続き不要!さいきょう定期預金の金利で満期後自動継続。詳細は西京銀行までお気軽にお問い合わせください。

東ソー

東ソーが生み出す多種多様な製品は、社会インフラや耐久消費財など人々の生活に役立つさまざまな最終製品に使われています。総合化学メーカーだからこそできる、化学の革新を通して持続可能な社会に貢献していきます。

サマンサジャパン

来院者の方へもっと目配り、気配りをしたい。物品の補充や搬送に時間を取られる・・・
サマンサジャパンでは医療従事者の方がより医療に専念できるよう、コンシェルジュ、受付、看護助手、清掃、設備など様々な業務を行っています。