2024年12月12日(木)

コラム「一言進言」

明治維新150年、どう取り組む?

〜若者たちが勇気を持てる活動に〜

□今年は明治維新150年。山口県は盛り上がるだろう。萩や下関方面は特に盛り上がるだろう。史跡や逸話も多いから当然だ。多くの若者が国のあり方を語り、決起し、殺し殺された歴史を刻んできた。外国とのかかわり方が大きなテーマだった。250年も続いた徳川幕府の消滅は想像できない変化だったろう。

□歴史はあくまで歴史だ。ある作家は、吉田松陰などはテロリストだったと書く。勝った方は美化されるが、敗者は悪者にされる。会津藩士が明治政府の高官になって書いたものでは、長州藩は野蛮な集団だったとある。戦いで敗れた会津藩士の亡骸を葬ることさえ許さず、放置していたそうだ。農民を組織して兵隊にしていたから、武士道などあるわけなかった。

□ともかく、ここ周南地区では維新150年がピンとこない。観光に利用しようにも、これと言った有名な人もいない。しかし、毛利藩内部では佐幕派、勤皇派の争いはし烈で、多くの犠牲者が出た。県は維新150年を観光に使おうと必死だ。材料が乏しい周南地区はどうするか。

□まずは市民に地域の大変革の歴史を伝えることだ。行政の仕組みが大きく変わったこと、武士がいなくなってどう生活が変化したか検証すること。世の中の大変化に先人たちはどう対応したのか知ることが、今日の私たちのヒントになるかもしれない。多くの逸材を輩出した背景を探ることも重要だろう。

□歴史ものは関心がある人と、そうでない人の差が激しい。歴女が増えたと言うが、少数派だ。子どもたちに維新を伝えるのはさらに難解だ。高杉晋作や坂本竜馬などを通じて維新は語られる。ここ周南地区も維新で大きく動いたことを、わかりやすく明快に解説して見せたいものだ。この地でも、志を持った若者たちが、物を言い、行動していたことが重要だ。

□当時日本を動かす中心にいたのは、多くの20代の若者だった。どこにそんなパワーがあったのか。歴史を知ることで、子どもたちに勇気と熱情を感じてもらえるかもしれない。維新150年を、観光ではなく、地域の若者たちへのメッセージづくりとして取り組むのも意味がある。

(中島 

LINEで送る
一覧に戻る
今日の紙面
吉本運輸株式会社

私たちは安全運転・安全作業を実施し、「吉本運輸株式会社に任せれば大丈夫!」と思われるような会社を目指します。従業員のスキル向上とアットホームな職場環境を重視し、長期にわたり活躍できる場を提供しています。

スバル合同会計 周南事務所

相続時や建物の購入売却時の相続税・資産税のご相談。
大切に育てた事業の譲渡や事業の拡大にむけて、複数の専門業者との提携で、お客さまの求める結果を一緒に目指します。

西京銀行

【取扱期間 2024年6月3日~2025年5月30日まで】西京銀行では預金残高が2兆円に達しました。日頃の感謝の気持ちを込めて年金定期預金とACTSAIKTYO定期預金の2種類をキャンペーン特別金利にてご提案します。詳細はお近くの西京銀行までお気軽にお問い合わせください。

株式会社トクヤマ

トクヤマは、電子材料・ライフサイエンス・環境事業・化成品・セメントの各分野で、もっと幸せな未来をつくる価値創造型企業です。