コラム「一言進言」
政策の違いはどこか?
~木村、藤井両氏へのお願い~
■首長は大きな権限を持っている。市長より知事、知事より総理大臣と権限の幅は大きくなる。総理大臣の指示次第で国家存亡の危機もあり得る。市長も指示次第で、その地域の将来に大きな影響を与える。反対する職員がいたら異動させれば良い。議会は総じて現職市長に真っ向から異を唱える市議は少ない。最初「しゅうニャン市キャンペーン」は1票差で可決されるほど反対が多かったが、次年度はあっさり決まった。現職の強みはある。島津元市長の時は、百条委員会まで開かれて騒然としたから敗北の憂き目にあったが、余程のことがないと現職は強い。
■さて今度はどうだろうか。このところ木村市長は陳謝の連続だ。防災無線工事はずさんな管理で、多額な出費と遅延を招いた。集中豪雨で死者まで出たが、対策本部も作らず、対応も遅れた。最後に極めつけは官製談合で逮捕者まで出した。それぞれ議会で陳謝する羽目になった。それでも多くの市議会議員は市長選で木村市長を応援するという。最初「しゅうニャン市」に反対した議員も応援に回る。
■将来に向けて政策的な話し合いを議論した結果なのだろうか。何を目指すのか。どこに向かって周南市を引っ張るのか、政治家たちの役割が問われている。もちろん市長選に挑む藤井県議も一緒だ。唯我独尊だから駄目だ、では駄目だ。「政策的にここがだめで、私はこうだ」がないと駄目だ。団塊の世代が高齢者になって、地方の存亡の危機だ。若者を増やし、子どもを増やせる環境をどう作るか、明確な展望を見つけ、具体的な施策を語る時だ。もちろん千数百人いる市の職員が縦横に活躍できるにはどうするかも大切だ。新南陽駅や櫛ケ浜駅のトイレ一つ改善できない。徳山駅の豪華さの陰で、多くの学生たちがしんどい思いをしていることに思いを馳せることが大切だ。
■島津元市長はやることは早かった。東川の花見用ぼんぼりの灯が中止になったが、わが社の記事を見て、すぐさま復活させて市民を喜ばせた。当然市民の要望をすべて聞けないが、姿勢の問題だ。真摯に向かい合う気持ちをどれだけ持てるか。限られた予算を有効に使う知恵の出しどころだ。木村市長、藤井県議との政策比較が楽しみだ。
(中島 進)