2026年06月09日(火)

コラム「一言進言」

復旧工事を見直せ

〜大震災を思い出す〜

8年前のあの日、私は周南市議会での百条委員会を傍聴していた。何やら記者たちがざわつき始め、あの大震災を知った。急いで車に戻り、テレビで津波の惨事をずっと見ていた。車がまるでおもちゃのように流され、屋根の上で助けを求めている人が、一瞬のうちに見えなくなった。

いまだに5万人をはるかに超える人たちが避難生活している。3月11日になると、新聞もテレビも、家族を失った人たちの悲しみと、乗り越えようと必死で生きているさまを描く。先日ある集まりで、元KRYアナウンサーの岡本修二さんが講演して、「風の電話」の話をしていた。あらためて感動した。大槌町の高台の家の庭に設置した、電話線もない公衆電話ボックスだ。

持ち主が身内の不幸から思い立って庭に作ったものだが、震災後、3万人を超える人が訪れたという。黒電話が一つポツンと置いてあるだけだが、受話器を手にした人たちは、亡くなった子供や、親に話しかける。線はつながっていないが心はつながる、とても素敵な電話だ。

最近の災害は、想像を超えたものが多い。広島、岡山、そして周南地区でも3市に多くの被害が出た。とりわけ周南市では犠牲者まで出た。年明けのニュースで遺族の片づけがようやく始まったとあった。がれきの中から父親の遺品を探している姿は、切なかった。復旧工事の遅れは深刻だ。工事関係者に聞くとさらに深刻だ。

災害発生時、地元の業者は生活道確保のため、発注されないでも手助けに向かう。そして時間が経過、本格復旧工事では、公平さを一番大切にする行政は、場所なんか関係なく入札業者を決める。わずかな金額の差で、須金の工事を、大手を含めた一度も現地を見たこともない業者が落札する。不調や辞退が続出するはずだ。地元業者を優先すべきだ。まさかの時に助けてくれることが肝要だ。

合併して、入札管理もややこしくなった。しかし、これだけ復旧工事が遅れると、その間に集中豪雨に襲われることも想定される。機械的な発注ならパソコンでできる。知恵と、地域を考えた施策が求められている。これからはもっとひどい災害になるだろう。

対策本部も作れなかった体質を変えるには、どうしたら良いのだろうか。防災無線では救えないのは実証済だ。聞こえないのだ。民の声も聞こえないか。「風の電話」は聞こえなくても良いのだ。心の声だから。

(中島 

LINEで送る
一覧に戻る
今日の紙面
スバル合同会計 周南事務所

相続時や建物の購入売却時の相続税・資産税のご相談。
大切に育てた事業の譲渡や事業の拡大にむけて、複数の専門業者との提携で、お客さまの求める結果を一緒に目指します。

西京銀行

【取扱期間 2026年4月1日~2026年9月30日まで】お預け金額10万円以上。手続き不要!さいきょう定期預金の金利で満期後自動継続。詳細は西京銀行までお気軽にお問い合わせください。

周南公立大学

2024年春、周南公立大学は新学部学科を開設しました。経済経営学部(経済経営学科)、人間健康科学部(スポーツ健康科学科・看護学科・福祉学科)、情報科学部(情報科学科)の3学部5学科体制となりました。大学の活動や入試情報も随時公開中!

山田石油株式会社

ソロや友達と過ごす「おとなじかん」から、親子三世代で過ごす「かぞくじかん」も楽しめる日帰りレジャー施設「くだまつ健康パーク」。屋内で遊べる施設や岩盤浴、サウナも充実!