コラム「一言進言」
庶民は195円の万引きで逮捕
~280万円の江島議員は逮捕もなし~
■ 毎日のように周南3警察署から報道用資料が届く。最近ボツにした資料の中に、下松警察署からの万引き被疑者逮捕の一枚があった。あまりにも金額が少ないし、54歳の男性の被疑者の将来も考えて掲載をやめた。下松市内のスーパーで販売価格195円の日本酒1個を万引きした案件だった。現場から逃走したのが逮捕の一因のようだった。
■ 比較するのもどうかとは思うが、今の国政では自民党の国会議員たちによる「集団万引き」が大きな問題になっている。パーティー券裏金キックバック事件だ。今の段階では4千万円以上が検察によって摘発されている。1千万円、2千万円程度はスルーされそうだ。同じ万引きでも一般庶民との感覚の違いはどうしたものか。100人か何人かわからないが、これは集団万引きそのものだ。
■ 山口県でも自民党の江島潔参院議員が280万円の裏金を告白した。ばれたから早速修正報告したと弁明していたが、彼が逮捕され起訴されることはないだろう。かたやポケットに200円のお金も事欠く男は195円の日本酒1本で逮捕され、実名が公表される。
■ さて、こんな惨状に一体私たちは何ができるのだろうか。予想するに多くの一般庶民は、国会議員に失望し、選挙に行かなくなるのではと心配だ。ある世論調査では無党派層が70%に近かった。政治家不信も極まった感がある。不思議なのはこんな事態でも地方議員から不満の声や、抗議の声が聞かれないことだ。
■ 周南3市の県議では自民党公認が9人中5人を占める。保守系の市議でも自民党籍を持つ議員は数多い。国政選挙では将棋の駒のように走り回って自民党の国政選挙候補者のために票を集めているはずなのに、自民党改革を訴える議員を見ることがない。投票率の激減で見るように、政治家不信は地方議会でも顕著になった。
■ こんな不祥事に無関心な地方議員は政治家になった自覚がどこまであるのか。一般有権者は地方議員を通じてしか国の政治家と関わることがほぼない。自民党を変えて欲しいと願う有権者は多いはずだ。国会議員により近い存在の地方議員が意見を言わないのはなぜだろうか。
■ 良くても悪くても、だらしない野党陣営の中、自民党が国を動かす状態は変わらないだろう。より良い政治を求めるには、保守系地方議員に、一般有権者の声を国会議員に届ける役割を求めるしかない。近く議員に聞いて回りたい。
(中島 進)
