2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

No.84 地方自治考15・人口問題、財務問題②…移民も省庁移転も企業誘致もダメななかで周南公立大学は宝になる

独善・独言

 ㊁前稿では首都圏一極集中は続く、地方の人口は減少する、過疎化はさらに進展する…つまり地域創生事業の効果は期待できないとした。そんななかで対応策とされてきたもの…

 ⑤まず移民の受入れ…大前研一氏は労働人口の確保という側面から外国人比率10%を主張している。今が3%弱なので(A表)900万人程度の増になる。日本とか日本人とかの概念を変えかねない比率であろう。

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 B表の外国人比率の高い市のトップの埼玉県の2市では10%にははるかに届いていないにも関わらずクルド人と地域住民との間の生活習慣の違いからくる摩擦が報道されている。この違和感は外国人構成比1%少しの周南3市の市民には理解できないものであろう。国民感情の忌避感というハードルが乗り越えられるか。

 ⑥次は創生事業では何度も唱えられたがまったく進行していない省庁移転である。政府は57の機関の実績があがったと発表しているが、C表のとおり研究機関や研修機関が主体であり、実のある実例は文化庁に京都府移転のみといえる。加えて、京都市、徳島市、和歌山市と人口減への悩みの薄い県庁所在地を選択するなど創生事業に本気に取組む意欲は窺えない。

 政府機関の課以下の機関、組織を全国に強制移転する、それも5万人未満の市町村に対象を限定する…そんな対応をすれば効果があるかもしれないが、そこからくる弊害もあろうから地域創生事業で省庁移転を取り上げることはあきらめた方がよい。

 ⑦三つめは企業誘致である。この効果が大きいことは熊本のTSMCの特需が証明している。企業が勝手に舞い込んでくることは稀であろうから、今後も各自治体の誘致への努力は必須になる。しかし、すべての市町が幸運に恵まれるわけでもないし、誘致が毎年継続して成功するわけでもない。あてにならない。

 ⑧迷惑施設の誘致。上関町は原子力発電所や新たに「使用済み核燃料中間貯蔵施設」の建設に手をあげたが、周辺市町の反対があって実現できそうにない。上関町の人口はここ10年で3割減という異常値になっており、財政力も県内市町で最低レベル…窮状打破の策として“やむにやまれず”手をあげたものであろうが。

 島根原発では社員に加え設備、警備ほかの業者が3,000人以上出入りすると聞く。原発稼働後は相当数の人数が滞在することとなる。この人数は上関町だけでなく周辺市町にも潤いをもたらす。私は平生町の橋元に関所を設けて、車1台が通過するたびに1,000円の道路保守税をいただけないかと、できもしないことを夢想する。

 以上、⑤〜⑧の対応でもって人口の増加を図ろうとすることには無理があることを示した。改めて地方の人口は減る、過疎化は阻止できないことの覚悟をもって将来設計をすべきであると訴えたい。

 ⑨この面で当地区では周南公立大学が宝になる。1学年定員480人が卒業時3割約150人地元に残ってくれれば、30年間で4,500人、家族を加えれば2万人前後の人口創出になる。大学の卒業生は毎年加算される。これが企業誘致の一時的な人口増貢献とはケタ違いな効果をもたらす。前稿①に示された創生事業のお題目のひとつである「魅力ある地方大学による若者のつなぎとめ」の創生事業のモデル推進になる。

 その卒業生3割確保のための環境を行政と事業所が協調して創りあげる必要がある。3市共同で地元就職促進のための専属職員を置くことを夢想する。これは実現可能ではないか。

…次稿につづく。

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