2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

No.86 地方自治考17・人口問題、財務問題④…消防事業や水道事業は早期に広域に統合すべきではないか

独善・独言

 ㊃前稿では地域の人口問題と財務問題の解決策の一番として市町の合併をあげた。ただ、その効果を人件費圧縮のみに求めたので本稿では機能面、コスト面で集約効果が増すと思われる事業に触れてみたい。

 ⑭まず消防費に関して。市議会議員時の何年か前、化学消防車購入の議案があがってきた。確か3億円前後ではなかったか。私は“あった方が良いかもしれないがなくて済む”事業費…つまり、有事のときには周南市から借りるのではダメなのかと、いくらかの抵抗をしてみた。

 前稿で触れた河合雅司氏は「20世紀型成功体験や既得権益を打破して捨てるところは捨てるべきと主張している。めったに起こらない化学工場火災、それも2市同時発生というレアーケースに対し「備え」が必要なのか。さらに、万々が一そのような事態が発生したらあきらめる…そのような行政のスタンスを求めるのは絵空事になるのか。

 ⑮A表は消防署の統合効果…周南3市の消防費と人口類似都市との比較である。㋑では12億円の圧縮が可能ということになる。なお、「調整」は消防庁舎建設など特殊な出費を排除し平準化した数値であるが、大差はない。また、参考として面積でも類似5都市と比較してみたが(㋺)人口以上の圧縮可能額になった。

 12憶円の圧縮額は前稿の3市合併の人件費圧縮効果と合算すれば年間35憶円、30年投資財源とすれば1,000億円になる…ナンデモできる。

 3市合併で重複エリアを調整すれば消防拠点の整理が進められる、化学車も1台減らせるかもしれない。ただ、この消防事業は県単位に統合した方が集約効果がさらに進む。むしろ私は警察が県単位で消防が市町村管理になっている事情を不思議に思っている。

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 ⑯B表をみてほしい。上下水道料金年間支払額と市の水道事業繰出金(=水道事業にまわさなくても済めば他の市民サービスに充当できたはずの額)の合計を世帯数で割った一世帯当り水道関連負担額である。本表で柳井市民は下松市民と比べると年間ナント14万円の負担差になっている。このような基礎インフラにおいて、このような近隣市において、ここまでの不公平があってもよいものか。

 国保事業においては国主導で市町から県単位へ移行することで財政運営の安定化を図っている。水道事業には老朽化対策⇒道路陥没防止のための投資が喫緊課題になっている。インフラリスクは各市町だけの固有の課題ではない。県単位への事業運営への移行を急ぐ必要がないか。

 ⑰合併の一番の効果は人材の確保かもしれない。それぞれの市町はシステム開発、AI対応、建設、土木ほかに有能熟練者を求めている。合併により周南3市で一人配置すればよいということになれば、有能なエンジニアを厚遇で雇用することも可能にならないか。

 ⑱ほかにも小中学校行政や介護事業が市単位の対応になっていること、OAシステムが各市バラバラで統一されていないことなど、集約した方が機能においてもコストにおいても効果が増す事業が浮かんでくるが、後稿にまわしたい。

…次稿につづく。

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