2026年05月01日(金)

コラム・エッセイ

No.87 地方自治考18・人口問題、財務問題⑤…合併批判は的はずれ・過疎化の進行こそが地域を衰退させている

独善・独言

 ㊄市町村合併に関しての批判がある。京都大学名誉教授岡田知弘氏はA表のような理由のもと「市町村合併しても地域経済にはプラスの効果はなく、百害あって一利なしと指摘している。浅学の私がマルクス経済学の権威に物申すことは憚られるが、ガマンができずにこの周辺地域に限ってという観点で反論を述べたい。

 ⑲確かに合併後の旧町は人口が大幅に減少している(C、D表)。旧鹿野町を例にとる…合併前の00年の4,520人から20年後の20年2,884人に36%減少している。この主因は過疎化の進行にある。既にピークの1955年に8,949人であったものが合併前の00年までにナント50%の大幅減になっている。この20年の人口減要因を合併に求めるのは筋違いではないか。

 ⑳⑴C表周南市の㋑〜㋬の人口減ワースト6地域は合併前から徳山市所属であった。⑵E表の2町は合併していないが人口は同様に減少している。⑶移入が順調な㋻の呼坂地区は8%減にとどまり他地域と趣を異にする。以上、ここでも人口減少⇒地域の衰退理由に合併を持ちだすのは筋違いと思える。

 ㉑合併後の財政はどうか。D表、20年前優良な財政力指数であった4市のうち合併を選んだ2市の財政は確かに悪化している。殊に光市の大幅低下はこの間法人税收が10億円程度減少したこともあろうが、この人口で、この面積で市立病院が2つあることに要因がないか。
 このいわば旧町への配慮は合併時に約した“合併後遺症”といわれるものかもしれない。この面は岡田氏の合併批判対象であろう。しかしである、旧町は合併により新市の支援を得なくてもこの過疎化の20年を乗り越えてこれただろうか…旧大和町は大和病院を維持できたであろうか。
 少なくとも県内の合併事例を見る限り岡田氏の主張には納得できない。ましてや合併前に戻し、交付税増額や正規公務員の増員で対応するという説には、あきれ返る思いになる。

 ㉒もうひとつ政治ジャーナリスト高田泰氏の挙げたB表合併の失敗例4市に関して。観点は合併で得た補助金をもとにしたハコモノ投資や旧町への配慮を重ねて資金不足に陥った⇒合併は間違いであったという主張である…ほんとうか。
 確かに周南市は財源不足を表明しているがその困窮度合いは他の3市とレベルが違う。住みよさランキングも財政健全度も大差がある。経常収支比率は他市同様不良であるが、これにはボートの雑収入40億円が計算外になっている。また、市街地のこの20年の人口減率(C表㋣)▲4.3%は合併しなかった防府市の▲3.2%と大差がない。ここでも合併批判は当たらない。

…次稿につづく。

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