2026年06月24日(水)

コラム・エッセイ

勝手が違う

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 モリ・カケ問題に桜問題。崖っぷちに追い詰められたかに思える難局も、長期安定政権には何の痛痒も与えない。長きにわたって蓄積した経験を基に確立した問題対応マニュアルで、どんな問題でも切り抜けられる自信満々だったのだ。見たことはないが、そのマニュアルは恐らくこんなものだろう。

 1.どんなことでも、まず否定する。

 2.否定出来ないものは、自分は関係ないと言う。

 3.都合の悪い資料は出さない。

 4.出せと言われたら、ないと言う。

 5.あっても、捨てる

 6.捨てられないものは書き換える。

 7.面倒くさくなったら、責任は自分にあると言っておく。

 8.言っても、何もしないで放っておく。

 9.そのうち次の問題が起こるから、前のことは忘れられる。

 10.かくて誰も責任も取らず、一件落着

 何があってもこのプロセスを踏めば問題は消滅するから、周囲もそうなるように忖度して行動し、政権基盤は盤石であった。これまでは。そんなところに新型コロナウィルス禍発生。国難とも言える難局に、総力を挙げて対応を図っている政権だが、やることなすこと余りにも見当違い・手違いが多く、手際の悪さが目立つ。

 新型コロナウィルス問題、どうも勝手が違うのだ。この原因は、問題の相手が人間でなく、対応マニュアルが全く通じないからだ。新型コロナウィルスは官僚達の予想通りには行動しないし、政権中枢に忖度もしない。根本解決となる治療薬やワクチンも、いつ完成するのか分からない。

 前例のあることや人間相手には無敵の官僚・官邸政治も未経験の問題に対した時いかに無力であるかがさらけ出され、一方、これまで影の薄かった感のある地方自治体のリーダーの中から、これまで見慣れてきた手法とは異なった問題解決への行動が示された。

 今なお社会を揺るがす脅威となっている新型コロナウィルス禍だが、科学の力と新しい政治の力が一日も早く問題を解決し、将来を明るく照らして欲しいと願う。

(カナダ友好協会代表)

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