コラム・エッセイ
提案「リモートうたごえ」
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子令和2年も半年過ぎた。当初は、暖かくなったらそのうち収まると根拠希薄な楽観論も聞かれたが今では今年中に収まるとは誰にも思えなくなっている。その上にかぶさった豪雨の被害。線状降水帯(つい数年前までは聞き慣れない専門用語だったが、今では日常語になった)に伴う記録的豪雨が各地でコロナに勝る恐怖を引き起こしている。
そして、これから始まる本格的暑さを思うとうんざりする。バブル崩壊で迎えた平成時代に続き、新型コロナウィルス禍が記憶と記録に残るような令和の幕開けだが、いずれは人類の英知の結集で克服され、過去の語りぐさとなっていくことを祈るばかりだ。
現在進行形の禍の中で、多くの人と同様に、私も初めての体験を短期間のうちに数多く重ねた。手洗い励行、マスク着用に加えて、以前なら異常と思えるような振る舞いが抵抗なく受け入れられ、フェイスシールド着用姿で歩いても異様な目で見られない。
周囲の環境変化に過敏に反応する私とは何事につけ対極的な対応をする我がつれ合いも、フェイスシールドにはついて行けないと言いながらも、手洗い・マスクやソーシャルディスタンス確保はしっかりと身に付いているようだ。
禍の中で様々な初体験をしているこの半年間だが、その中で一番目新しく感じたのがテレワークやオンライン会議などの、これまでは一堂に会し顔を合わせて行うのが当たり前と思っていた作業を、同じ時間に居場所を変えて進行させるという体験で、これが思ったより快適だということだ。
一番恩恵を受けたのが我がつれ合い。なにしろ片道5時間の通勤時間がゼロとなったのだから大歓迎だったようで、これで職場仲間との気脈が保たれるのならコロナに感謝かななどと軽口をたたいている。
これに続けて言うことには「コロナ騒動で、自分が最も被害を被っているのはカラオケ通い・うたごえ喫茶通いが禁じられたこと。毎年5、6回は訪れていた新宿の『ともしび』ももう9カ月行っていない。店だってお客は減って困っているだろう」。
新型コロナウィルス対策で最も重視されているのが三密を避けることだが、その三密の中で大声を出すのがうたごえだから原状復帰は全業種の恐らく一番最後だろう。「そこで提案が1つ。うたごえもオンラインでリモート形式でやればいい。そうすれば全国から多数参加出来て、店も潤うだろう。具体的にどうやればいいのかわからないが、「大喜利」もこのところリモート形式で結構面白くやっているのだから、できるのでは」と言う。確かに、お客は多少不満足かもしれないが、伝統ある店の存続にはいい方法かもしれないと思う。
(カナダ友好協会代表)
