2026年06月24日(水)

コラム・エッセイ

コロリンピック

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 緊急事態宣言解除とはいえまだまだ予断を許さない状況で、オリンピック開催地の東京ではむしろ感染者が増えリバウンド状態が見られる中で、オリンピック・パラリンピック開催の日が刻々と近づいている。

 開催是か非かという世論調査結果が話題の中心であったのが、いつの間にか有観客か無観客か、観客は1万人以上か以下かに論点が移されている。オリンピック開催は最早既定事実で、開催是非論など自然消滅、競技が始まれば選手達の活躍に日本国中大熱狂で、その間にワクチンを打ちまくれば感染拡大防止の慎重論など影を潜めるだろうと、大会運営関係者は目論んでいるのだろう。

 ワクチンを打っておけば重症者の数は抑えられるのだから怖くない。グラフの数字を感染者数から重症者数に切り替えれば、世間は一気に鎮まってくる。

 日本の世論がどちらを向こうと日本国民にどんな災難が降りかかろうと、そんなことは意に介せず開催を指示するIOCと、IOCの指示を金科玉条・至上命令として遮二無二に開催に向けひた走り、自ら定めた原理原則もオリンピック貴族達だけは当然のように別扱いとして優遇するなど、もはや何のための、誰のためのオリンピック・パラリンピックなのかわからなくなっている。

 少なくとも誘致の際に高く掲げた東日本大震災からの復興を象徴するオリンピック・パラリンピックでなくなっていることだけは確かだし、コロナウィルス禍に打ち勝った証とはどこから見ても言えない。

 それなら、新型コロナウィルス禍の中でもスポーツの祭典を行い、自らを勇気づけることが出来た証として開くのだと言おうとしても、その事への批判に世論が傾いているのだから、結局オリンピックでいい思いをしようとするオリンピック寄生集団と、オリンピックを種にして利益を増やそうとするスポンサー企業、これを選挙の追い風にして我が身の保全を図ろうとする開催与党の国会議員達が、それぞれの思惑を共通項としてコロナ禍さえも都合よく解釈しながら、オリンピック開催という泥船に争って乗り込み、同床異夢さながらにそれぞれの甘い夢をむさぼろうとする姿がさらされているだけに見える。

 新型コロナウィルス感染症蔓延の下、図らずも暴かれたIOC貴族支配のオリンピックの本質。平和の祭典とはほど遠いその姿は「コロリンピック」と名付けた方が相応しいのではなかろうかと思えてくる。

 一切のオリンピック寄生虫を排除し、無観客の下、アスリート達が純粋に力を競う姿を家庭で画面を通して堪能する。コロナウィルス禍を逆手に取って、こんなオリンピックが実現出来ないものだろうか。

(カナダ友好協会代表)

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