コラム・エッセイ
Go To日帰り エジプト旅行
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子新型コロナウィルス禍終息の目途が立たない中で経済停滞を何とかしようと矢継ぎ早に繰り出されるGo To キャンペーンのあれこれ。Go Toトラベル、Go To イート、Go To イベント、Go To 商店街、他にもあるのかもしれないが、自粛・待機で人の動きが止まりすっかり縮小してしまった経済活動を、とにかくGo To 外に出て活性化させようとの政策は、気持ちは理解できるが感染リスクと隣り合わせ。
補助金大盤振る舞いで、さあ怖がらずに行ってくださいと言われても、やはりどこかで「危ないよ、止めておきなさい。」という声がささやいているようで、ババ抜きのジョーカーを引きたくない気持ちを払いきれない。
だんだん足腰も弱ってきて、行きたいところに自由に行ける機会も少なくなるから、コロナ騒動がなければ行けるときに行っておきたい所はあるのだが、感染すれば危険度の極めて高い後期高齢者の身では、自粛・待機の方に寄らざるを得ない。
そんな中、娘が見つけてきた旅行プラン。何と日帰りエジプト観光旅行だという。直線距離でもほぼ1万キロ。往復の飛行時間だけでも丸々1日以上かかるはずだから、日帰りなどできるはずはなく、第一、今は飛行機飛んでいないのでは? 種明かしはオンライン旅行。現地のガイドと撮影スタッフに、参加者めいめいがネットでつながって、送られてくる動画と音声で現地観光をし、画像を見ながらの質問にも答えてくれるというもので、これなら飛行機に乗ることもないし、いくら大勢参加してもそれぞれが2メートルどころか数百キロのソーシャルディスタンスもとれるから、感染の心配も旅支度も必要なく外国観光が出来る。
早速に家族3人申込み、オンライン操作技術に乏しい我がつれ合いを娘が猛特訓し、その日を待った。無事画面が立ち上がり、参加者の自己紹介もなく始まったエジプト旅行。ガイドが車で移動できる範囲だから、定番のピラミッド周辺一巡りの感じだったが、流暢に日本語を操り、なかなか博識なガイドの案内に、時々ガイドやスタッフとのやり取りを交え、まずまずの臨場感で、日帰りどころか1時間でピラミッド巡りの旅を終えた。
オンライン旅行の評価はともかく、この度の特記事項は、心配していたことがやはり起こったということ。操作に慣れない我がつれ合いは、自分の画像も音声もONのままだったので、だらしない服装でごそごそする姿や、何かを食べる食器の音まで流れて、遠く離れた山口には注意もできず大恥だった、もう二度と誘わないと大むくれの娘を、笑いをこらえながらなだめたという、あまり締まらない旅の終りとなった。
(カナダ友好協会代表)
