2026年05月02日(土)

コラム・エッセイ

パラリンピックの汚点

新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子

 コロナウィルス禍収まらず、緊急事態宣言発出の下に行われたオリンピック、パラリンピック。

 こんな時にやっていいのか、こんな時だからこそと、賛否両論の中での実施だったが、両大会とも金メダル数も、総メダル数も大健闘という結果で、感動的なシーンも多くあって、期間中は連日話題となりコロナウィルス禍中の制約の多い生活にすさんだ気持ちを励ます効果はあった。

 この状況にはオリンピック開催反対の世論が高まっていたときに「なに、始まってしまえば皆、熱狂するよ」とうそぶいていたアメリカのテレビ会社の関係者の高笑いが聞こえてきそうだが、それはちょっと的外れだ。

 開催反対の理由は、こんな時にやっていいのか、安全に行えるのかという疑問と不安で、終わった今、不安の方はともかく終わったのだから良かったのだと言うことも出来るが、オリンピックへの疑問の方は未だに残る。

 こんな時にというのはもちろん、全国民が感染への不安とまん延による行動規制への不満で気持ちが沈み、いらだっている時にということだが、阪神淡路大震災、東日本大震災はじめ大災害にあった被災地の人々に地元のプロ野球球団の活躍が大きな励ましとなったということはいつも伝えられていて、大災害状態のコロナ禍だからオリンピック開催は相応しくないということでは全くなく、利権と金まみれだということが天下にさらされたオリンピックを、こんな時に開催していいのかという疑問なのだ。

 この疑問にはまだ答えは出されていないし、今回だけの疑問でもない。パラリンピックについては金まみれということはないのだろうが、オリンピックと抱き合わせのようになっているから、どうしても同列で扱われてしまう。そのパラリンピックにも今回残念に思うことがあった。

 ある競技に参加している日本の有力選手が「試合になれば勝つためには相手の弱点を突きます。脚に障がいがあって動きが鈍い相手なら、動けない方に打込みます」と自分の強さをアピールしていた。

 これを聴いて悲しくなった。それならパラリンピックでなくオリンピックに出てごらん。自分の弱点を徹底的に攻撃されて、地方予選も突破できないでしょう。体に障がいがあっても競技が出来ることを喜び、その姿を示す機会となることがパラリンピックの意義だと思う。結果を勝負で評価されるのだから、勝ちたい。勝つためにはこうしてと、思い戦うことは自由だが、それを口に出してはいけない。聞きたくもない。

 多くの感動を生んだパラリンピックの唯一の汚点をたまたま目にしたことが、残念でならない。

(カナダ友好協会代表)

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