コラム・エッセイ
秋は草刈り
新しい出会いに向けて-この町・あの人・この話- 浅海道子10月も半ば過ぎ、駐車場スペースにしている空き地には夏の間好き放題に伸びた草が、車の出入りの邪魔になるほどになっている。
以前は「手が空いたら、やっておいてね。」と声を掛けておけば、いつか重い腰が上がって草引きに取りかかり、草で一杯のゴミ袋がゴミ出し場に積み上がっていた。今では本人にこれに応える体力は残っていないようだし、頼む方にもこれは無理だと分かるから、もう頼めない。
そこで視線は若者たちに向けられる。先日は家の周りに生い茂った竹刈りだった。長い間気になりながら放置状態だったが、我が家に集う若者に「ねえ、バイトしない?」と声を掛け「やる!やる!」と二つ返事を得て長年の懸案を果した。
半日余りの暑い最中の作業に張り切る姿にセーブをかけながら、一緒にいい汗をかいたとつれ合いも満足の結果に疲れをほぐしたのが数カ月前のこと。秋とはいえ、まだまだ日中は気温の高い日が多い時期だったが、ご近所の目の厳しさも予感し、意を決して声を掛けた「ねえ、またバイトしない?」「今度も竹?」「今度は、草」かくて、その日もよく晴れた日曜日の昼過ぎから作業が始まった。
手鍬に枝切りばさみ、ゴミ袋と一通りの道具を揃え、麦わら帽子に軍手のお定まりの格好でおしゃべりと休憩を交えながら、草刈り、草引き、草むしりに励む。取りかかりはうんざりするような一面の草だったが、次第に払われ更地が甦ってくる。
おしゃべりの合間に我がつれ合いが若者たちに「効果が直接確かめられる労働は、やる気が出るもんだナ」と語りかけると一斉に「そう!そう!」と元気のよい声が返ってきて、この子達も同じことを感じていたんだと分かり、嬉しくなったと語ってくれた。
相応のバイト代は支払う約束だから、それを目的に汗を流しても不思議ではないし、それで十分なのだが、今この子達には、草刈りはお金と引き換えに労働力を提供しているという意識よりも、あんなに生い茂っていた草が、自分の手が動き汗が流れるのに従って姿を消し土が現われるのを確かめ、あとどれくらい働けば目標達成となるのかを胸算用しながら挑戦する気持ちになっていたのだろう。
一面の草むらをすっかり刈り終え、後片付けを済ませて汗を拭き、部屋に戻って一休みした後、白い封筒を受取り神妙に中を確かめる子ら。「自分で稼いだお金だ。好きに使えばいい。お父さん、お母さんのお金は無駄遣いしてはいかん」とつれ合い殿は、のたまう。
でも、この子たち、決して無駄遣いはしないだろう。額に汗して働き、その汗がお金に換わる体験は、無駄遣いから最も遠いところへこの子たちを導くに違いない。
(カナダ友好協会代表)
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